インド料理の世界へようこそ!
デリー代表取締役 田中 源吾
多種多様なインド料理
インド料理といえば、“カレー”、最近は「タンドーリチキン」や「ナン」も市民権を得つつありますが、インドは日本の9倍の国土を持ち、歴史も文化も人種も宗教も多様です。したがって、一口に「これがインド料理だ」とはいえません。特に宗教による規制は多く、また絶対です。基本的にヒンドゥー教徒はベジタリアンでした。インド人が肉を食べるようになったのは、イスラム教の影響といわれています。
スパイスもインド料理の大きなポイントです。 調理上では、香りのスパイス、味のスパイス、辛味のスパイス、色のスパイスそして調和のスパイスに分けられます。また、肉料理、魚料理にもスパイスのルールがあります。カルダモン、クローブは魚料理には使いません。ただし、スタータースパイス、ガラムマサラとしては使用します。魚には酢やレモン汁を多く使用しますが、肉料理にはゴア地方の「ヴィンダルー」というカレー以外使いません。野菜料理のスパイスは、肉料理に準じます。
酸味がある料理が多いのも特徴です。インドでは様々なもので酸味をつけますが、一番多いのがトマトです。トマト以外では、ヨーグルト・タマリンド(まめ科の植物)・レモン・ライム・ドライマンゴーパウダー・ざくろパウダー・酢などがあります。
都市部、田舎によって多少違いますが、一般的にインドの食卓ではカレー(肉、魚、野菜、豆)、野菜料理にご飯かチャパティ(全粒粉の種無しパン、ナンは家庭では作らず買ってきます)です。昼も夜も大して変わりません。小腹が空いたときは、屋台で揚げ物やチャイなどをとります。
つい20年程前までは、流通の関係で南インドは米、北インドは小麦中心の食生活でしたが、現在はどちらでもあります。
しかし南インドでは、今も基本的に米食です。この南インドカレーの特徴は、米に合うよう汁気が多く(とろみもあまりありません)、ココナッツをフレークでもミルクでもクリームでもオイルでも必ずと言っていいほど使用します。そして非常に辛いのも特徴です。
一方北インドカレーは、マイルドで汁気の少ない、小麦系主食に合うカレーが多いと思われます。この小麦系主食は数多くあります。(ナン、チャパティ、プリ、パラタ、バトゥーラ、クルチャ、マティ、プルカなどなど)この特徴はイーストを使わずに、使っても重曹、ベーキングパウダーだけです。もちろん、イーストがないという訳ではありません。イーストを使ったナン、シルモリナンや西洋式パンのパウなどもあります。また、戒律を守るベジタリアンは、卵を使うナンは食べません。
ちょっと前まで、インドの人は軽食以外、あまり外食をしませんでした。これはカースト制度から来る浄、不浄の考え方で、一般的に自分より下のカーストの人が作ったものは不浄と考え食べません。例外は揚げ物です。 しかし、都市部では近代化が進み、思想・文化にも変化が現れ、またここ数年外資の影響もあり、多くのレストランやファストフード店が増えました。ニューデリーやムンバイ(ボンベイ)には、10軒以上のマクドナルドが出来ています。でもやはりビーフはありません。チキンミンチのハンバーガーです。
この通りというわけではなく、もっと入り組んでいますが、おおよその見当にはなるかと思います。
インドの牛肉事情は悪く、あまり新鮮なものがないので当たる人が多くあまり食べません。(もちろん高級ホテルは大丈夫です)
エグタリアンとは卵を食べるヴェジタリアンのことですが、無精卵は食べるが有精卵は食べない人もいます。
ストリクトヴェジタリアンにジャイナ教も含まれますが、ここではヨガ行者やクリシュナ派を指しています。
仏教徒は原則殺生禁止ですので肉は食べませんが、死んでしまったものは仕方がないという発想があります。
ジャイナ教は完全殺生禁止ですので、地中の虫を殺さないよう根菜類は食べません。
ゾロアスター教は原則なんでも食べますが、ペルシャから避難した際、助けてくれたインド人に敬意を表し、牛、豚は食べません。
魚は沿岸部、内陸部によって異なりますが、川魚の方がより穢れが少ないとされています。
南西部ケララ州では、ヴェジタリアンでも魚は食べていいというヒンドゥー教徒も多くいます。
カシミールカレーに使われている主なスパイス
カイエンペッパー
カシミールカレーの 辛さの元になるスパイス。 赤唐辛子を乾燥させたもので、強い辛さが特徴。
コリアンダー
辛さを引き立てるスパイス。 中華料理やタイ料理でよく使われる「香菜」の種で、爽やかな香りが特徴。
ターメリック
うこんの和名でも良く知られている、カレーの色付けに使われるスパイス。
インド料理のお供
マサラチャイセット
インド本場のミルクティーがご自宅でお楽しみいただけます。細かくされた茶葉を煮出すことで、濃厚なミルクティーに仕上がります。専用スパイスは出来上がってからどうぞ。
パパド
塩気と胡椒の風味で、ビールのおつまみにも好適な、豆の粉から作られる、インドの定食には欠かせない一品です。カレーと召し上がる際には、手でパリパリと割ってふりかけても◎。
特製ピクルス
インドの五つ星ホテル料理長だったスワミシェフがそのレシピを伝えた特製ピクルス。カレーと白いご飯によくあう、すっぱくて、辛くて、濃厚な、クセになる味です。