炭火割烹 蔓ききょう 滋賀県・瀬田の唐橋
炭火割烹 蔓ききょう 滋賀県・瀬田の唐橋
うなぎ、本もろこ、牝鹿、
月の輪熊、山椒……
琵琶湖と湖北の山の、
自然の恵みを
シンプルに
炭火割烹 蔓ききょうは、琵琶湖の天然うなぎ、本もろこ、小鮎、ぎぎ。湖北の山などで獲れる牝鹿、月の輪熊、猪。草津の精肉店サカエヤの走る豚や和牛。京丹後・魚政の蟹や鮮魚。上賀茂の田鶴農園の京野菜など、厳選素材を炭火焼きなどでシンプルに楽しませてくれる和食の名店です。
店は、日本三名橋の一つ、瀬田の唐橋のすぐそばにあります。店舗は、150年続く呉服店の蔵を改造したもの。蔓ききょうは、呉服店の五代目主人と、その奥様で料理長の西澤芽久美さんが営む和食店です。蔓ききょうは、呉服店の家紋です。
西澤芽久美さんです
西澤芽久美さんは、京都市の出身。大阪、京都などで和食を修業し、ジビエの炭火焼きを得意とする京都うづら屋料理長を経て独立。2009年に「炭火割烹 蔓ききょう」を開店しました。
西澤さんは、自らハンターの資格を取得し山に入って食材を獲ることもあります。日本料理の研究、継承、発展を目的として活動している日本料理アカデミーの会員でもあります。
琵琶湖の
天然うなぎです。
400万年前に誕生した琵琶湖には、多種多様な淡水魚が生息しています。本もろこ、ビワマスといった琵琶湖の固有種や、天然うなぎ、小鮎、ぎぎ、しじみなど多彩です。これらの水産物を、蔓ききょうでは契約している漁師さんから直接仕入れています。
今回は、うなぎの有馬煮を送っていただきます。写真のように紀州備長炭で白焼きにした後、実山椒、醤油、日本酒でシンプルに炊いたものです。実山椒は、西澤さん自らが山に入り採取してきた新鮮な素材を炊いたものです。
琵琶湖の
「本もろこ」です。
本もろこは、もともとは琵琶湖の固定種で、日本に8種生息するモロコ種の中でも、とくに美味な魚として知られています。骨・皮・身・内臓のどれもが濃厚な味で、とくに肝のほろ苦さがたまりません。 現在は、琵琶湖の環境変化のために激減しています。お取り寄せでは、「琵琶湖の本もろこ南蛮漬け」をご用意しています。
月の輪熊です。
熊の肉は、噛めば噛むほどに豊かな旨みがわいてきます。滋賀県で獲れる熊肉の仕入れには限りがあるため、ほかは秋田や岩手で仕留められた熊肉を知り合いのハンターさんから仕入れています。罠で獲った熊は、ストレスがかかり肉が臭くなることから取り扱っていません。
お店の熊料理は、シンプルな炭火焼き、熊の手煮込み、すね肉煮込みなどがあります。今回のお取り寄せでは「月の輪熊すね肉煮込み」をご用意しています。まるで上質なコンソメをいただいているような美味しさです。
鹿はメス限定です。
画像は、鹿の炭火焼きです。鹿は主に湖北産で、メスの鹿に限定しています。ですから、しっとりとした肉質です。今回のお取り寄せの商品「湖北の牝鹿のロースト」は、炭火でこんがりと焼いてから、低温のオーブンでゆっくりと火を入れるため、柔らかく、赤身の旨みが実に濃厚です。
ちょっと驚きの
「鹿そぼろ」です。
メスの鹿肉がもつ、きれいで深い美味しさが生きた鹿そぼろです。肉の旨みがしっかりとあり、くどさと臭みがなく、後味が美しい、ちょっと驚きの味わいです。山椒もきいたピリリと痺れる大人のそぼろです。 焼酎ロックを合わせてちびちびと食べるのもよし。ホカホカのごはんで、そぼろご飯にするのもおすすめです。
風味豊かな
「鹿肝パテ」です。
鹿肝パテはお店でも大人気の一品です。新鮮な肝を焼いてから、ブランデーなどの洋酒やバターと混ぜ合わせてあります。なめらかな口当たりでクセがなく、味わいは豊かで濃厚です。パンに塗って白ワインや日本酒でお楽しみください。
ジビエの肝は鮮度が落ちるのが早いため、なかなか出回りません。契約ハンターから直に仕入れることで、鮮度の良い肝を入手できる蔓ききょうならではの逸品です。
実山椒は
自ら山で採ります。
実山椒は、お店では焼いた肉の薬味として活躍します。西澤さん自らが湖北の山に入り収穫します。収穫後、すぐに炊いているので鼻に抜ける山椒の香りが豊かです。お取り寄せでは、「実山椒醤油煮」をご用意しています。
文:大村花恵(食文化)
撮影:東谷幸一
炭火割烹 蔓ききょう
お店に足を運ぶと、築100年余の呉服店の蔵を改造して作られた、なんとも心地の良い雰囲気の中で、炭火焼きメニューを楽しむことができます。西澤家の家紋「蔓ききょう」が店名の由来です。
滋賀県大津市瀬田2丁目2-1
TEL 077-545-7837
営業時間/
【ランチ】11:30〜14:00 ラストオーダー/13:00
【ディナー】17:30〜21:00 ラストオーダー/20:00
第1・3・5火曜日と水曜日/毎週木曜日のランチ}
※店休日は変更になる場合があります。お店のブログでお知らせしています。