庭園のように手入れが行き届いた 美竹林 冬でも15度以上になる暖かい気候、水はけの良い白砂土壌、そして、竹を大切にする薩摩の伝統が究極の早掘り筍を産む
1本の竹
は実は300もの筍を産むと言われています。しかし、その8割は日の目を見ることなく、土中で朽ちていきます。
竹は夏を終えると、直ぐに次の命を育みだします。ところが、気温が15度くらいにならないと、筍は地上に現れることはありません。
気がつかないだけで、竹林の土中では猛烈な数の筍が生まれては朽ちていきます。
手入れされた竹林が微かな筍の成長をとらえる
美しく手入れされた竹林だから、竹の小さな息吹の兆候をとらえることが出来ます。
もちろん、農薬は一切使わず、大量の有機質の肥料を竹林に惜しげもなく投入して、初めて、毎年美味な筍が育ちます。
筍の生産は半年間(5月〜11月)竹林の整備(施肥管理・親竹管理・竹の間引き)に手間暇をかけます。早い生産者で10月上旬から収穫を始め、最盛期の4月中旬まで収穫作業は続きます。
ここは町単位としては日本一の竹林面積を誇る、まさに竹の町です。
宮之城町の竹の歴史は古く、第二十一代藩主 島津吉貴が、中国浙江省から琉球を経由して移入した元文元年(一七三六年)から間もないと伝えられています。
宮之城虎居には、領主の島津氏の菩提寺であった宗功寺跡地に三十三基の立派な墓石があります。その中の、第四代久通、五代久竹、六代久洪の三墓石には、竹の絵が刻まれているほどです。それほど、薩摩では竹が大切にされてきました。
墓石群の周りには、第二十一代藩主 島津吉貴が宮之城藩主に贈ったといわれる孟宗竹林があり、ここの竹が川薩地域の孟宗竹の発祥と言われています。
薩摩にとって、筍は重要な食糧であっただけではなく、崩れやすい白砂を竹林の地下茎が支え、土砂崩れを防いでくれたからでもあります。
写真をクリックすると拡大表示します