雑草に負けないで立派に育つ!
北海道赤井川村
滝本農場の有機JASにんにく
200万年前の大噴火が生んだカルデラ
病害虫から野菜を守る天然の要塞
小樽から車で1時間。外輪山の峠を越えると、そこには広大なカルデラが広がります。
カルデラの冬は厳しく、2メートルの豪雪と氷点下20度の厳寒。
まさにキタキツネ以外には動くものが消えたと思う世界です。
この厳しい寒さが土地の病害虫を殺してしまうのです。
さらに村を囲む外輪山が下界との空気と水を遮断するので、環境汚染もきわめて少なくなります。
「カルデラの里」北海道の赤井川村。有機栽培の好適地に滝本農場はあります。
280平方キロ(2億8千万㎡)の広大な大地に、1200人にも満たないほどの村民。
村民ひとりあたりの面積は21万5千㎡。日本の平均人口密度の1%ほどです。
まさに手付かずの自然です。
こんな自然環境が極上の有機ホワイトアスパラガスを生み出します。
「カルデラの里」北海道の赤井川村。有機栽培の好適地に滝本農場はあります。
280平方キロ(2億8千万㎡)の広大な大地に、1300人ほどの村民。
村民ひとりあたりの面積は21万5千㎡。日本の平均人口密度の1%ほどです。
まさに手付かずの自然です。
こんな自然環境が極上の有機ホワイトアスパラガスを生み出します。
厳寒の地、赤井川でも夏の日中は30度近くまで気温が上がります。
ところが、夜は20度を切るほどまで気温は下がります。
この高原と盆地特有の気候。野菜たちは昼間に盛に光合成をし、栄養をつくり、夜は休み栄養を蓄えます。故に赤井川では野菜がおいしく育ちます。
香りは高いが、いやみな臭さは無い
有機アスパラガスがメインの滝本農場の、もうひとつの作物が有機にんにくです。
1995年から、一切の化学肥料も農薬も使っていない農場。
アスパラガスの収穫が忙しい時期と重なるので、草を抜く手間がなく、にんにく畑は雑草だらけです。
ところが、そんな雑草に負けることなく、にんにくはずっしりと立派に育ちます。
(2006年7月、萩原(左)と滝本和彦さん)
完熟収穫の滝本さんのにんにく
滝本さんのにんにく畑は砂地ではなく、粘土質の固い土地です。
にんにくの根は力強く地に食い込み、必死で土の力を吸収します。
1玉の中の粒数は4〜6が中心です。かなり、ずっしりです。
畑で葉が半分以上枯れるまで待ち、完熟してから収穫する為、色は悪く、玉割れも有りますが、ニンニクの味は濃厚になり、水に入れても沈むほどズッシリとしています。
収穫時期が待ち遠しい7月のにんにく畑
にんにくの玉が張ってくると、土にひび割れが生じます。
写真のにんにくは、まだ葉が緑ですが、7月中旬には葉が枯れてきます。
葉の枯れが完熟の証。ようやく、滝本さんはにんにくを収穫します。
収穫したにんにくは畑で一日乾燥させ、葉と茎を落とし、ハウスの中で1〜2日乾燥させれば、いよいよ出荷可能な状態です。
新にんにくを長く楽しむ
本来はもっと長く乾燥させないとカビが発生し易いですが、一年分のにんにくを滝本さんから購入するにんにくファンは待ちきれません。
お得意さんは、何と20kgものにんにくを、この時期にまとめ買い。この時期に購入したにんにくを風通しの良い場所で乾かし、皮をむき、一年分を冷凍して保存するそうです。
新にんにくは水分が多いので、風通しの悪い場所や暖かい場所に保存すると、カビが生えやすいです。
風通しのよい冷暗所で保存すれば、2〜3ヶ月は十分に持ちますが、そうした場所が確保できない方は、冷蔵庫の野菜室での保存をおすすめします。長期保存をする場合は、冷凍が便利で確実です。
もちろん、醤油漬けやオイル漬けにしても良いです。
(現在の滝本農場の皆さん 滝本さんから間に一人挟んだ左隣が息子の雄太さん)
文・株式会社食文化 代表 萩原章史 撮影・八木澤芳彦