麺王国 岩手で江戸時代から伝わる味
江刺岩谷堂 吉田製麺
「卵めん」
麺王国 岩手で埋もれる名産
岩手県南部の船着き場として栄えた蔵の街・江刺岩谷堂(現 奥州市)は、黄金文化を誇る奥州藤原氏発祥の地としても知られています。
その栄華を支えた美しい清流がある土地で1964年 吉田製麺は創業しました。
岩手県は「麺王国」と言われるほどたくさんの種類の麺が製造・販売されています。
盛岡冷麺にはじまり、じゃじゃ麺・わんこそば・ひっつみ等、季節を楽しむように食べ方も豊富にあります。
吉田製麺が作る、鶏卵をふんだんに使用した独自の「卵めん-らんめん-」は、淡いタマゴ色・ほんのりと甘い風味・シャキシャキした歯ごたえが特徴。
盛岡三大麺(盛岡冷麺・わんこそば・盛岡じゃじゃ麺)と比べると全国的にはあまり知られていませんが、名産品の一つとして地元に根付いています。
卵を使った乾麺は、
独特の香りと歯ごたえ
そうめんとの違いは、その名の通り卵を使用している点です。
小麦粉と鶏卵、塩とほんの少しの塩で練り上げます。
独特の香りと歯ごたえは食欲を誘い、茹で伸びがしにくいので冷・温問わず美味しく召し上がれます。
パスタやビーフンなどの代わりにも使えますので様々な料理でお楽しみください。
また、合成着色料は一切使用していません。
アミノ酸をたっぷりと含んだ高たんぱくのヘルシーフードでもあります。
長崎から伝わり、
板垣退助が命名「卵めん」
卵めんの由来は今から約300年前、遠く長崎県からキリシタン信者 松屋十蔵が訪れ、ここを永住の地と定めました。松屋氏はオランダ人から伝授された鶏卵をふんだんに使った麺「蘭麺」を売り出したのが始まりだと言われています。
その後、板垣退助がこれを非常に気に入り「鶏卵そうめんとでも申しましょうか」と料亭の亭主が説明すると「食べ物の名前は短い方が良いから『卵めん』としたらいい」と言ったことから「卵めん」と呼ばれるようになりました。
コシのある独特の食感
岩手名産「盛岡冷麺」
吉田製麺は30年ほど前から本場・盛岡で冷麺を製造しています。
冷麺のルーツは北朝鮮にあり、元々は蕎麦粉も使用した細い麺でしたが、「盛岡冷麺」は蕎麦粉を使用せずじゃがいものデンプンを中心に使用し、米・小麦の産地として収穫量が多いことから岩手の食文化にあった独特の食感にこだわって作られています。
コシのある麺と、味わい深いスープの絶妙な美味しさをお楽しみください。
(株)食文化 梶央