沖縄の郷土食 お取り寄せグルメ「おきなわ物産展」
沖縄県の郷土食
琉球に伝わる伝統料理・食文化を紹介します
最大面積を誇る沖縄本島を中心に大小160の島々からなる沖縄県。亜熱帯の温暖な気候、琉球王国時代に行われた中国・東南アジアとの交易、戦後の米国統治など、古くから異なる国の文化を受けながら独自の文化が作られた。
沖縄で発展・継承されている伝統的な料理は「琉球料理」と呼ばれ、源流は「宮廷料理」と「庶民料理」の2つ。宮廷料理は、琉球王朝時代に中国の冊封使や薩摩の在番奉行をもてなすために調理技術や作法が洗練されて確立した。庶民料理は、手に入る食材が限られる亜熱帯・島嶼の環境で知恵を絞って作り出された独特の料理だ。
沖縄県の食文化には中国から伝わった医食同源の思想が根付いており、他の都道府県では使われない滋味豊かな食材が用いられる。健康長寿で知られる沖縄県民の元気の源!その郷土食を紹介する。
琉球料理 沖縄の郷土食
豚肉料理(ラフテー、イナムドゥチ、中身汁、ソーキそば、足ティビチ、血イリチー、ミミガーなど)
"14世紀頃、中国からの渡来人によって沖縄に豚が輸入された。中国からの客人
冊封使(さっぽうし)の食料として一日に数十頭の豚を献上していたことから、琉球王府はぶたの飼育を推奨。その後、中国から芋の栽培が伝わり捨てられる葉や茎を餌にできたことから豚の飼育が盛んになり、豚肉料理が郷土食として根付いた。
第二次世界大戦後までは豚肉は高級品で庶民が口にできるのは年に数回。人々は特別な時に豚を1頭を親族や身近な仲間と分け合い、効率良く余すことなく食した。また沖縄では中国の漢方の考え方に沿って人間の体の悪い部分と同じ部位を「命の薬(ぬちぐすい)」として食べる習慣がある。さらに限られた物資を大切にする沖縄の県民性が相まって、たくさんの豚料理が生まれた。
豚の骨付きあばら部位はソーキと呼ばれる。あえて骨に肉が残るようカットし、長時間煮込むことで軟骨まで食べることができるようになる。そばや汁物の具材として食される。
脂身と赤身が層になったバラ肉はハラガー。皮付きのまま泡盛を入れて煮込んだ「ラフテー」は有名な沖縄の郷土食。
ロース肉全般はボージン。豚肉にゴマダレをまぶして蒸した「ミヌダル」は琉球宮廷料理の一品。
テビチ(豚足)は沖縄のおでんには欠かせない。沖縄のお祝い事で食べる「中身汁」の具材はビービー(小腸)やウフワタ(大腸)。顔の皮(チラガー)、ミミガー(耳の皮)は前菜や酒のつまみに最高だ!
ゴーヤーチャンプルー
沖縄県の代表的な庶民料理。“チャンプルー”は炒め物の意味で、「ゴーヤーチャンプルー」はその名の通りゴーヤーを炒めた料理だ。ゴーヤーの苦みが食欲を刺激し、熱でも壊れにくいビタミンCを含むことから夏バテ予防として重宝されている。また島豆腐と卵と炒めることで食べやすくなり、毎日食べても飽きがこない美味しさに仕上がる。
ジーマーミ豆腐
ジーマーミとは土の中にできる豆(地豆)で落花生のこと。落花生の絞り汁にイモクズを水で溶いて火にかけ、練り上げた料理で独特の風味が感じられる。とろりとした口当たりでコシが強い。高たんぱくで栄養価が高い料理だ。
落花生は琉球王朝時代から貴重な食材でハレの日に食されていた。
ジューシー
“ジューシー”とは炊き込みご飯のこと。硬さによって「クファジューシー(炊き込みご飯)」と「ヤファラジューシー(雑炊)」がある。
季節の行事や祝い事で欠かせない郷土食で旧盆の7月13日の初日(ウンケー)に作る「ウンケージューシー」には生姜や葉生姜を混ぜて邪気を払う。
沖縄では冬至(トゥンジー)には里芋や田芋をいれた「トゥンジージューシー」を神仏に供えて、家族の健康と子孫繁栄を願う。
体調が優れず食欲がない時は「ヤファラジューシー」、お弁当のおにぎりにしたい時は「クファジューシー」にするなど、シーンによって具材や硬さを作り分けられる万能な郷土食である。