熊本県の郷土食 お取り寄せグルメ「火の国 くまもと物産展」
熊本県の郷土食
火の国 熊本に伝わる食文化・特産品を紹介します
世界有数のカルデラを誇る阿蘇山があることから「火の国」と呼ばれる熊本県。九州の中央に位置し、北東部に阿蘇山、西部は有明海や八代海に面し、宇土半島の先には天草諸島がある。全域が太平洋側気候で温暖だが、冬の日照時間が短く夏と冬の寒暖差は大きい。
かつて「肥後の国」と呼ばれ、江戸時代には武将・加藤清正が治めた。熊本民が「清正公(せいしょこ)さん」と親しみを込めて呼ぶ加藤清正は、治水事業を進め現在の農業県としての礎を築くなど、熊本県の食文化に与えた影響が大きい。
海・山・里の幸に恵まれ、それぞれのエリアで独自の食文化を築き上げていった熊本県。その日に伝わる郷土食、特産品をまとめて紹介する。
熊本の郷土食 特産品
馬刺し
馬刺しは熊本県を代表する郷土食。熊本県で馬刺しが食べられるようになったのは、肥後国熊本藩初代藩主・加藤清正がルーツといわれている。約400年前、豊臣秀吉との朝鮮出兵の際に食料が底をつき、やむを得ず軍馬を食した。それがあまりに美味しく、帰国後も好んで馬刺しを食べたことから領地の熊本で馬刺し文化が根付き、全国に広まったとされている。現在、馬肉の生産量において熊本県は日本一(※農林水産省統計)を誇る。
生の馬肉を薄く切り、スライスした玉ねぎやおろし生姜、おろしニンニクと一緒に甘口のタレをつけて食べるのが一般的。赤身や霜降りだけでなく、フタエゴ(あばら肉)、レバー、タン、ハツ、ねっこ(大動脈)など部位によって異なる美味しさが楽しめる。
くまもとあか牛
日本4大和牛品種は、松阪牛や神戸牛などで有名な「黒毛和種」、短角牛で有名な「短角和種」、山口の在来種にアンガス種を交配した「無角和種」、熊本・高知系の「褐毛和種」。「あか牛」は褐毛和種で、全国で飼養される肉用牛の1%ほどしかない。そのうち、約7割を占める約15,000頭が熊本県で飼養されている。阿蘇の大自然の中で育つあか牛の肉質は赤身が多く、適度な脂肪があり、濃厚な旨味と甘み、柔らかさを兼ね揃えている。その美味しさを存分に味わう郷土食が、あか牛を贅沢に使用した丼ぶり。ミディアムレアに焼いたあか牛ステーキのスライスをご飯の上に敷き詰めて、ワサビや半熟卵とともに頬張る。熊本にはあか牛丼の人気店も多く、地元民だけでなく観光客からも人気がある。
球磨焼酎
球磨焼酎(くましょうちゅう)は、熊本県の最南端に位置する球磨郡および人吉市に伝わる米焼酎。九州山系に囲まれた盆地で日本三急流のひとつ球磨川が流れる人吉球磨地域は、盆地特有の寒暖差が激しい気候風土により、熊本で有数の米どころになった。その米でいつから焼酎(蒸留酒)が造られていたかの文献は残っていないが、少なくとも1950年代から飲まれていたと推測されている。明治以前は、非常に度数の高い焼酎を「チョク」という小さな盃で舐めるように飲むのが一般的だったが、大正・昭和になると30度程度の焼酎を「ガラ」と呼ばれる酒器に入れ、囲炉裏で燗をして飲むようになり、現在では25度の焼酎が主体になった。
明治時代には200軒近くあった蔵元は減り続け、現在は28軒。杜氏たちの手で丹精込めて造られる球磨焼酎は、芳醇な香りと奥深いコクが楽しめる。
塩トマト
「塩トマト」が栽培されているのは熊本県の干拓地。埋め立てによりできた土地であり、以前は塩田だった。本来、塩分濃度の高い土地は作物が正常に育つには不適切。「塩害」と呼ばれる被害があるように、根から十分な水を吸収できずに枯れてしまう。そんな土地で美味しいトマトが育つ理由は、枯れるギリギリまで水分を制限し、小ぶりの実に旨さ・甘さを濃縮させる生産者の技術にある。手間暇をかけて育てられる塩トマトの糖度は8度以上。その中でも光センサー選果で糖度10度以上の基準をクリアした塩トマトは「太陽の子 ロイヤルセレブ」と名付けられて出荷される。