丹後魚政の目利き人
谷次さんが選ぶ旬の魚介
秋漁 のどくろ
丹後近海の魚を50年以上にわたり専門に取り扱う魚政の一押し、のど黒。
松葉ガニ、セコ蟹の扱いについて誰もが認める京都丹後の魚政。
目利き人、谷次さんが秋に選ぶのは丸々と太り、脂の乗った山陰のノドクロだ。
ノドクロの和名は「赤むつ」。
スズキ科に属し、のどの奥が黒いところから「のどくろ」「のどぐろ」と呼ばれている。
9月に解禁する山陰の秋の底引き網漁で水揚げされるノドクロは、海底で豊富な餌を食べてじっくり身を太らせ、脂が乗りきっているため、年間で最も身質が優れているという。
魚政では、この時期にしか扱わない。そして、鮮魚で300g以上のもの。
理由は、明確。身質・脂のりがまるで違うからだ。
刺身で食せる鮮度!「のどくろ 鮮魚」
例年9月からの2ヶ月間、京丹後地方で底引き網漁が解禁される期間限定。
地元でも入手困難な超大型の600-690g、魚政が用意する中で最大級のノドクロだ。
下拵えも承っている。
鮮魚と干物のいいとこどり「のどくろ 熟成一汐」
新鮮なノドクロを開いて天然塩をまぶし、一晩熟成させたもの。
脂ののったノドクロの旨味を、一夜干しと鮮魚との中間のような状態に凝縮させるという、老舗・魚政の職人技による一品。ぜひ、炭火を用意して欲しい。
「のどくろ 一夜干し」
魚政のオリジナル製法「まるごと海水ミネラル干し干物」仕上げ。引き締まった身は、余分な水分が取り除かれ、凝縮されたノドクロの旨みと溢れ出る上質な脂が堪能できる。
(文・株式会社 食文化 酒井恵美子 撮影・八木澤芳彦)