滋賀長浜のこだわり鰻
魚三
関西風手仕上げのうなぎ蒲焼き
明治38年(1905)創業の魚三
明治38年 琵琶湖の湖北 長浜の町に初代 藤林三弥が創業した魚三は、琵琶湖周辺の伝統的な淡水魚介食文化を今に伝えています。様々な淡水の魚介類を漁師から直接買い付け、長浜を中心とした湖北地域はもちろん、京都の料理屋などにも、琵琶湖の水産物を送っています。
魚介類のなれ寿司、鰻、鴨、鮒、琵琶鱒、いさざ、ほんもろこ、川海老他、多くの琵琶湖の素材とその加工品を扱っています。素材と加工にこだわる魚三の伝統は、現在、四代目 藤林英孝が受け継いでいます。
関西風 地焼き鰻のこだわり
創業来 百有余年、
受け継いだ秘伝のたれで味が決まる
魚三のある滋賀県長浜周辺では、琵琶湖の大きな鰻を食してきた伝統か、大きな鰻が好まれます。
1kgを超えるような特大の天然鰻はもちろん、養殖物でも300gもある大きな鰻を地焼き(蒸さない)にして食べるのが、長浜あたりの鰻食文化です。
もちろん、脂の乗った大きな鰻を炭火で白焼きにすれば、香ばしい皮と自身の脂で焼けていくような身の芳醇な味わいは、とても美味です。
特に天然鰻は大きくとも、脂がくどくなく、皮も固くないので、白焼きに山葵をそえて、醤油をひとたらしして食せば、大変に美味です。
魚三では創業以来、百有余年、受け継がれてきた鰻のたれが蒲焼の味を決めます。
醤油・味醂・ざらめ それだけの材料に長年の鰻の脂やうまみや香りが溶け込み、優しくとも、奥深い味を生み出します。
琵琶湖は天然鰻の餌の宝庫
養殖鰻にもこだわり
琵琶湖は鰻の餌が豊富です。小えび・淡水魚・蛙など、鰻を美味しくする餌が豊富です。特に豊富に生息するスジエビ(川エビの一種)は、天然の鰻を美味しくするであろうと、容易に推測できます。
大きいものは1kgを超える琵琶湖の天然鰻 養殖物とは違って、特有の風味があり、鰻好きには堪えられません。脂はのっているけど、しつこくはない・・
皮は厚いけど、固くはない・・・
大きいけど、小骨はそれほど気にならない・・・
巨体の鰻を覆う厚い粘膜と皮、大きなきも(内臓)には、どれほどの栄養素とミネラルやビタミン等が含まれているのか?想像するだけで、ぞくっとするほどです。
養殖ものは、国産(主に愛知県産)、生で300g以上(焼き上がりで200g前後)の大サイズを使います。
鰻の仕込み
仕入れた鰻は、伊吹山系の良質の伏流水(地下水)で2〜3日活かして、体内を浄化します。このプロセスで鰻の味と香りに影響を与える餌の癖を抜きます。 非常に元気な活ウナギは暴れて、うまく割けないので、マグロ漁同様に電気を使って一気に締め、職人が1尾1尾を手開きにし、鰻の性質を見ながら、串を刺していきます。直火での手焼きにこだわり、皮側も身側もふっくらと地焼きで仕上げます。もちろん、一切添加物や保存料は使用しません。
秘伝の鰻のたれは、シンプルに醤油と味醂とざらめを使い、創業以来百有余年 ずっと引き継いできた味です。
背開きで地焼きされた
大きな鰻
櫃まぶしも美味
いわゆる関東風に小ぶりの鰻を背開きにして、頭を落として切り分け、竹串に刺して、焼いてから蒸した、柔らかな鰻も美味ですが、関西風に大ぶりの鰻を腹開きにして、頭をつけたままで焼く、(蒸さない)地焼きの鰻も美味です。
地焼きの鰻をご飯の間に挟んで、上にも鰻を乗せ、山椒たっぷりで頂く、うな重やうな丼も美味ですが、蒲焼を短冊切りにして、いわゆる、櫃まぶしにしても美味です。 短冊切りの鰻と刻み海苔をご飯に混ぜて食べても良し、刻んだ葱と山葵を乗せて、熱い煎茶をかけて『うな茶』にしても美味です。
特大の生の鰻を炭火であぶる
塩と山葵で美味
出来れば天然鰻でしたいですが、開いた大きな鰻を炭火で焼き、上質な塩をふるだけで頂く、白焼きの鰻は究極の美味です。 皮目はぱりっと香ばしく、身側は脂を少し絞るくらいにじっくりと焼くのがポイントです。上質で大きな鰻は鰻自身の脂で、勝手に焼き上がるようなイメージです。 山葵をのせるだけでも美味ですが、ほんの少しの醤油をたらして頂くのも最高です。
究極のパワーフードであり、
アンチエイジング食材
日本人のDNAに深く刻まれた食志向 『鰻を食べる』=『元気をつける』です。 江戸時代に一般化した鰻食文化ですが、そのパワーフードの歴史は長く、万葉集の中でも詠まれたほどです。 大伴家持がやせている吉田連石麿に『夏痩せによしというものぞ むなぎ(鰻をむなぎと呼んでいた) とりめせ』と言ったほどです。
科学的根拠がなかった時代から、日本人にとっての鰻は薬食いであり、パワーフードであり、強精食でもあり、滋養強壮食でもありました。 江戸時代の吉原の里では鰻が大人気だったとか。韓国では鰻のしっぽが強精剤的に珍重されて取り合いになるとか。色々な事実が人類の実体験として、鰻の力を評価してきた証だと思います。