糖度30度前後にもなる
究極のさくらんぼ
秋田十文字
奥さくらんぼ農園
日本の西洋さくらんぼの歴史と重なる
奥さくらんぼ農園の歴史
明治政府は日本の近代農業振興の目的で、今の新宿御苑の地に「内藤新宿試験場」を設置し、欧米の技術と品種を導入し、 果樹・野菜の栽培、養蚕、牧畜などの研究を推進しました。その内藤新宿試験場から、秋田の地にさくらんぼの苗木が導入されたのは、明治8年です。
秋田の十文字の地に明治17年に開園した『奥さくらんぼ農園』はまさに、日本のさくらんぼ栽培の歴史とともに歩んできました。
園地には開園当時に植えられたさくらんぼの古木(高砂)や、究極のさくらんぼ生産を目指す四代目が収集した品種など、併せて40品種近くのさくらんぼが植えられています。 園地には代々受け継がれてきた、さくらんぼの巨木たちが鎮座し、開園当時からの歴史を垣間見ることができます。正にさくらんぼ博物館です。
四代目 奥政保は
さくらんぼ栽培の巨匠
奥政保さんは昭和31年に県立横手高校卒業と同時に就農し、先代の下でさくらんぼ生産に携わり、昭和45年頃に四代目として農園を引き継ぎました。
その栽培歴は既に半世紀以上の経験を持つ『さくらんぼ栽培の巨匠』です。 大小合わせて、40品種近くのさくらんぼ。主力は佐藤錦ですが、珍しい品種もたくさんあります。
驚くことに、品種差はあるものの、主力の佐藤錦では糖度は高いものだと25度〜32度と驚異的なレベルに達します。
『どんなに頑張っても、糖度は1年に1度くらいしか上がらない・・・』奥さん談
選定技術、土作りなどの栽培ノウハウは一朝一夕には会得することは不可能。さすが!奥さんの半世紀のさくらんぼ栽培経験は凄いです。
『ミネラルとアミノ酸が良質なさくらんぼを育てる。』奥さん談
この言葉のとおり、奥さんはホタテの貝殻や魚のエキスを原料とした有機質肥料と、牛糞堆肥・鶏糞堆肥などを独自にブレンドし、 さくらんぼの樹が必要な時に、必要な栄養分を吸収できるような土づくりを実現し、大玉で糖度が高いさくらんぼを生産しています。
奥さんが佐藤錦で国内最高レベルの高い糖度を維持しているため、本場山形の生産者にも一目置かれ、 多くのさくらんぼ生産者が視察に訪れるだけではなく、新技術導入の為の試験栽培の依頼が絶えません。
奥さんのさくらんぼ
うまいもんドットコムでの
販売品種
主力の佐藤錦ではなく、マニアックで素晴らしい品種をご紹介します。
3種類とも、非常に生産量が少なく、一般入手困難な逸品です。
超巨粒の麗峰
1957年に山形県農業試験場置賜分場でナポレオンの交雑実生のなかから選抜された品種、「南陽」の更に枝分かれた新品種です。
大粒といわれるナポレオンよりも一回り大きく、甘みがあって、肉質も硬く、食味は極めて良好な晩生種です。 達人の奥政保が育てた麗峰は、とにかく大きくて甘く、3L〜4Lサイズは1粒食べただけで満たされてしまうほどです。
大将錦
ナポレオン、佐藤錦、高砂の混植園で発見された偶発品種。 果肉色はクリーム色、果肉の硬さはナポレオンと比べても極めて硬く、 パリパリといった食感が特徴で、果汁はやや多い品種です。
甘味も強く、酸味が少ないため、食べやすい品種です。マニアの間で特に人気があり 高級品として重宝されています。
ダイアナブライト
ナポレオン、佐藤錦、高砂、ジャボレー等の混植食園地から採取した種子の実生から選抜した品種です。
果肉色は乳白色で、果肉が硬さは中位で果汁が多く、甘味が中位で酸味が少ないのが特徴です。 培している人が全国的に極めて少ない為、極希少種として入手困難とも言われています。また、宮家への献上品種としても知られています。
さくらんぼ栽培の巨匠は
観光客に園地を開放
よほど自信があるのか?奥さんはこれほどのさくらんぼを作れるのに、観光農園として、園地を開放しています。
一般的には、観光客が土を踏みつけ、枝を折ったりするので、上質なさくらんぼを栽培している農家は観光客用に開放はしません。
『毎年、たくさんのお客さんが待っていてくれるから、仕方ねえ・・・』奥さん談
秋田十文字の巨匠はさくらんぼ作りには興味があるのですが、ビジネスの方は??不思議な方です。
何度も何度も奥さくらんぼ農園を訪ね、『これだけの立派なさくらんぼ、もっと高く売れます!』と言っても、観光農園として開放し、安くさくらんぼを観光客に食べさせ続ける奥政保。
もったいないと思うのは私だけはないはずです。
(株)食文化 代表 萩原章史