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200万年前の大噴火が生んだカルデラ
カルデラは病害虫から野菜を守る天然の要塞
小樽から車で1時間 外輪山の峠を越えると、そこには広大なカルデラが広がります。カルデラの冬は厳しく、2メートルの豪雪と氷点下20度の厳寒。まさにキタキツネ以外には動くものが消えたと思う世界です。この厳しい寒さが土地の病害虫を殺してしまうのです。
さらに村を囲む外輪山が下界との空気と水を遮断するので、環境汚染もきわめて少なくなります。
280平方キロ(2億8千万㎡)の広大な大地に、1300人ほどの村民。まさに手付かずの自然です。村民ひとりあたりの面積は21万5千㎡。日本の平均人口密度の1%ほどです。こんな自然環境が有機ホワイトアスパラガスを生み出します。
赤井川の短い夏 昼は暑く、夜は涼しい。この寒暖の差が野菜を美味に育てます
厳寒の地 赤井川でも夏の日中は30度近くまで気温が上がります。ところが、夜は20度を切るほどまで気温は下がります。 この高原と盆地特有の気候のもと、野菜たちは昼間に盛に光合成をし、栄養をつくり、夜は休み栄養を蓄えます。故に赤井川では野菜がおいしく育ちます。
明治36年(1903年)、滝本家が徳島県神山町から北海道に渡って百有余年
赤井川村の開墾に入ってからでも、90年以上の年月が経ちました。3代目の滝本和彦が5.6haの土地の有機認証を取ったのは2001年。
実際は1995年から有機栽培(化学肥料と農薬を使用しない)を始めたので、既に25年以上、滝本農場では一切の農薬も化学肥料も使っていません。
アスパラガスを育てるには膨大な時間と根気が必要
滝本農場ではアスパラを植えてから2年間、まったく収穫がありません。
3年目 わずかに1週間だけ、それも太いものを少しだけ収穫します。
4年目 2週間から長くても3週間しか収穫をしません。こうして、アスパラガスの地下茎を大きく育てます。
5年目以降、ようやく普通の収穫(1ヶ月〜1ヶ月半)ができるようになります。
アスパラガスの栽培寿命は7〜8年と言われていますが、滝本農場では10年以上経った株でも立派なアスパラを生んでいます。
アスパラガスの成長はとても早い だから栄養も豊富
天気が良い日であれば、1日で10センチも伸びます。この成長パワーを支える栄養素こそ、アスパラガスの効能の秘密です。 アスパラガスにはアスパラギン酸が含まれています。
歴史に残る美食家 フランスのルイ14世も愛したホワイトアスパラガス
グリーンとホワイト どちらの栄養が豊富?
ほとんどの成分でグリーンがホワイトを超えますが、唯一、糖度だけはホワイトアスパラがグリーンを圧倒します。つまり、甘さがホワイトアスパラガスの魅力です。この甘さと微かなほろ苦さが食通を虜にします。特に滝本農場のホワイトアスパラガスは普通のものとは違います!
滝本農場のホワイトアスパラガスは早く茹るので、意外に下ごしらえも簡単です。アスパラガスの尻の方の皮を、包丁と指で挟んで、穂先に向かってはぎます。皮の硬い部分だけがむけますので、これだけでOKです。
むいた皮は捨てないで、茹でる時にお鍋に入れると、より、ホワイトアスパラの香りが際立ちます。
ひたひた程度のお水を沸かし、好みで塩・レモン汁を入れ、ホワイトアスパラを入れ、再度沸騰したら、1分前後で取り出してください。茹で汁は後で使うので捨てないでください。太いのもこれで十分です。細いのは少し早めに火を止めます。くれぐれも、茹で過ぎに御注意下さい。あくはほとんど有りませんので、あく抜きの必要は入りません。火を止めてから、ふたをしたままで冷まします。冷ます間に味と香りが深まります。
保存する場合、冷めたホワイトアスパラガスを茹で汁ごと容器に移して冷蔵します。2日目・3日目と味が変わっていきますが、それはそれで美味です。先ず到着日に必ず下ごしらえまでをしておくのがコツです。
おいしい食べ方
そのままでも十分に美味なのが滝本さんのアスパラガスです。下茹でしたアスパラをソテーしたり、シンプルにマヨネーズなどのソースで頂くのが一押しです。
炭火が用意できれば、皮をむかないで、少しこげるくらいまで焼いて、焼けた皮をむきながら、ホクホクを食すのは超美味です。少しの塩をつけるだけでご馳走になります。
言い忘れました、もちろん、グリーンアスパラガスもとても美味です。
(文・株式会社 食文化 代表取締役社長 萩原章史)