Jam工房Eiko
Jam工房Eiko
美しい余韻。
極めて上品な感動の味わいです。
大庭英子さんの台湾バナナのジャム
ジャムを作り続けて30年余。料理研究家歴40年の大庭英子さんが自ら厨房で作る、季節のフルーツのジャムをお届けいたします。
大変希少なジャムです。
珍しいバナナのジャムです。しかも、旬の台湾バナナを使い、グラニュー糖、レモン、白ワインだけで作るという希少なジャムです。大庭英子さんのジャムは、季節の果物がみっちりと詰まった、果物の特性が見事に表現されたものです。ジャムに最適な極上の果物を選び、その風味と色味をシンプルに生かし切ります。
バナナの風味が広がります。
バナナの甘い香りと旨みが凝縮されています。画像からもわかるように、バナナの素材感を絶妙に残してあり、ジャムが舌にやさしく絡みつきます。極めて上品な風味が豊かに広がり、その美味しさが長く続きます。余韻も美しく長い。これが大庭英子さんの台湾バナナのジャムです。
生ハムとバナナジャムのサンドイッチです。
バナナジャムのとっておきの食べ方を教わりました。生ハムとバナナのジャムのサンドイッチです。冷やした白ワインとの相性が抜群です。
台湾バナナが美味しい理由。
国内で流通するバナナの約90%がフィリピン産です。次いでエクアドル、メキシコと続きます。台湾バナナは1%ほどです。(出典:財務省貿易統計2022)。台湾バナナは、1960年代までは日本で多く流通していましたが、安価で安定供給できるフィリピンや中南米産にシェアを奪われてしまいました。
しかし近年、その美味しさから台湾バナナが見直されています。フィリピンと比べて台湾は気温が低く四季があり、じっくり時間をかけて成長することから、味に深みが出て香りが濃くなるためです。今回使用する台湾バナナは、北蕉種(ほくしょうしゅ)系統です。200年前に中国から渡ったという原種に近い、台湾を代表する品種です。芳香があり食味が良いのが特徴です。しかも、台湾バナナが特に美味しいとされている冬に開花して4月頃に収穫されたものを使います。
うまいもん筆頭目利き人
町田 成一より
本当に驚きました。台湾バナナそのものも実においしいものです。が、大庭英子さん台湾バナナのジャムは、その数倍はおいしいと断言できます。感動しました。 バナナだけのジャムは、ありそうでなかったものだと思います。ジャムといえば、いちご、あんずなどが王道だと信じてきましたが、その常識を変える時がきたようです。
台湾バナナジャムの魅力をお伝えします。
まずは熟度を見極めます。
台湾バナナは青い状態で輸入されるため、入荷したら常温で追熟させます。大庭英子さんは、バナナにスイートスポットが現れる直前のものを使ってジャムを作ります。よく熟したバナナを使うときれいな色にはならないからです。
バナナをカットします。
バナナの食感を活かすため、8㎜〜1cm程度の厚さに切ります。
レモンと白ワインを加えます。
大庭英子さんのジャムの魅力に、時間が経っても変わらない美しい色合いもあります。バナナは変色がしやすい果物なので、カットしたらすぐにレモン汁を加えることで変色を防ぎます。続けて白ワインも加えて香りを立たせます。
バナナの甘味を生かします。
カットしたバナナに、バナナの40%ほどの量のグラニュー糖をまぶします。バナナは甘味があるので、グラニュー糖は他の果物に比べて少なめです。まぶしたら直ぐに火にかけます。
銅鍋で10分煮ます。
こまめに火力を調節しながら煮ていきます。鍋は20年来使っているという大庭英子さん愛用の銅鍋です。バナナの風味を生かすため、煮る時間は強火で約10分と短時間です。鍋につきっきりで灰汁を丁寧に取り除きます。
美しく煮上がりました。
黄色に輝くバナナジャムが出来上がりました。バナナは食感がしっかり残っています。この食感の良さも大庭英子さんが大切にしていることの一つです。
熱いうちに瓶に詰めます。
出来上がったらすぐに、煮沸した熱々の瓶の口ぎりぎりまで注ぎ入れます。この後、蓋をして、煮立った湯に10分ほど入れて脱気をして完成です。
デザートのような味わいです。
初めてこのジャムを食べた時、ジャムと呼ぶにはもったいないくらいの味わいに感動しました。そのまま器に盛って、食後のデザートにしたいとまで思いました。トーストにのせたり、ヨーグルトと一緒に楽しむのはもちろんですが、パンケーキ、シフォンケーキ、クレープ、ミルクアイスクリームなどのお菓子と一緒に楽しむのもおすすめです。
大庭英子さんです。
大庭英子さんのジャムは、いわゆる甘さ控えめのジャムではありません。「ジャムは、しっかりと甘くすることで自然なとろみが出ます。そして、凝縮感のある濃厚な香りと味わいになります。これがジャムのおいしさです」と、大庭英子さんは力強く語ります。まさに本物。今や希少な正統派のジャムです。現状、当サイトだけで販売しています。
今回お届けできるジャムは、栃木県産の苺を使った「いちごジャム」と、前回ご案内した奈良県「青木さんちの苺」のいちごジャムと台湾バナナの「母の日ギフトセット」を少量ですがご用意しました。
文・林麻実
撮影・天方晴子