媛スマ水煮缶
宇和島水産高校フィッシュガール監修
魚も塩も製造も
オール愛媛のオリジナル水煮缶
媛スマは愛媛県が
完全養殖に成功した
全身トロの高級魚
宇和島水産高校のフィッシュガール(※)監修の元、愛媛県が完全養殖に成功したブランド魚「媛スマ」を使った水煮缶を作りました。媛スマは全身がトロ体質で背側は中トロ、腹側は大トロで刺身でも焼いても美味ですが、スマは漁獲量が極めて少ないため、地元でも一般入手困難な高級魚です。この媛スマを1缶に100gも使った超贅沢な水煮缶です。※フィッシュガール:宇和島水産高校水産食品科の女子生徒によって構成。愛媛県の養殖魚(愛育フィッシュ)をPRする役割を担っています。
船上活〆した
鮮度抜群の媛スマが原料
全身トロの肩書通りの
脂乗り
原料は1本釣りしたスマをすばやく船上で活〆と血抜き処理を行い、氷水で冷やし込むといった最高レベルの手当てを施した鮮度抜群のスマです。宇和島市にある缶詰製造メーカーのコバヤでは、スマを1尾ずつ包丁で捌いて作ります。全身に脂が乗っているため、包丁がスマの脂でコーティングされ、1尾を捌くのも一苦労です。
スマは豪快に
肉厚にカットする
身を皮や骨から切り出したら、綺麗に仕上げるために食塩水に数分浸します。その後、包丁で指2本分ほどの厚みにスマを切り分けます。
原料は媛スマと
愛媛の藻塩のみ
宇和島水産高校のフィッシュガールは「オール愛媛」の原料で作ることにこだわりました。地元の伯方塩業が作るまろやかな旨味と香りが特徴の「されど塩 藻塩」がスマの上質な脂と相性がよく、塩の対比効果により脂の甘味をさらに引き立てていることと、スマのイノシン酸でうまみの相乗効果も考えました。
原料は肉厚に切った媛スマとされど藻塩で作った1%塩水だけです。愛媛のブランド魚の魅力をたくさんの方に知っていただきたいと、シンプルな味付けで素材の力で勝負しています。
最終工程は1個ずつ缶詰と
向き合って作る
缶詰のフタを締める巻締めの機械は1個セットしたら、扉を締め、数十秒待つという作業の繰り返しです。巻締めを終えた缶詰は、加熱加圧処理をする圧力釜に入れて、1時間ほどすると完成します。まるで調理場や研究室にあるような設備です。決して大量生産することはできませんが、素材や作り方にこだわり、職人が1缶ずつ向き合って缶詰を作るには十分な設備と言えます。
素材を活かした
やさしい味付け
醤油を一回しかけても
料理に使ってもいい
媛スマを初めて食べる方にもスマの美味しさを知っていただけるように、素材を活かした塩分濃度1%のやさしい塩味となっています。刺し身で食べられる鮮度のスマを原料に使っているため、少しの塩気でも旨味をしっかりと感じられます。
全身トロ体質の媛スマですが、加熱して水煮にすると、身と脂が適度に馴染んで食べやすくなります。身がふっくらと柔らかく、不思議と缶内で1年ほど熟成をかけたような、身と脂と塩の一体感があります。また、丼に熱々のご飯を盛り付けて、千切りキャベツとスマを乗せて、醤油を一回しかけてもいいですし、シンプルな味付けのため、料理の具材としても活躍します。
愛媛県の中村知事も
太鼓判を押す美味しさ
2023年11月30日、愛媛県庁の中村時広知事を訪れ、県産ブランドの媛スマを加工した缶詰の販売開始を報告しました。
媛スマ水煮缶の試食をされて、中村知事にも美味しい太鼓判をもらいました。
文:植竹伸行(食文化)
撮影:八木澤芳彦