世界的に評価の高い
ムール・ド・ブッショAOPが7月解禁
ムール貝
モンサンミッシェル産
フランスでは夏の定番の味ムール貝
なかでもムール貝の産地として名高いのが7月に漁が解禁される
モンサンミッシェル産「ムール・ド・ブッショAOP」です。
木の杭(ブッショ)の上で養殖する昔ながらの手法
潮の満ち引きにより独特な味わいと風味となる
ムール貝の養殖はフランス西部のラ・ロシェルで始まったとされています。
13世紀にアイルランドの人が海で遭難した際に、鳥を捕まえようと、2本の杭の間に網を張ったところ、ムール貝の稚貝が引っ掛かり、杭の上でどんどん増えたことがきっかけと言われています。
ムール・ド・ブッショとは、海の上に木の杭(ブッショ)を立て、杭の上で養殖する昔ながらの杭打ち式養殖法のことです。
6月、稚貝の捕獲エリアにロープを水平に張り、稚貝を付着させます。その後、ノルマンディーの海に運び横木の上に設置し、夏の間稚貝を成長させて、9月になると杭の周りにスパイラル上にロープを巻き付けます。冬から春にかけて成長し、ブッショはムール貝でぎっしり覆われます。1年以上ブッショの上で成長させたあと、7〜1月にかけて収穫します。
モンサンミッシェル湾は潮の高低が激しく、その差は14メートルにもなります。
この潮の満ち引きによりムール貝が空気にさらされるため、他の地域にはない独特な味わいと風味が生まれます。
また、モンサンミッシェル湾のムール貝はフランス全体の生産量の5分の1に相当します。 2006年7月には海産物として初めて、AOC(原産地統制呼称)の認定を受けました。
(※2011年よりAOP 原産地保護呼称に変更)
7月に漁が解禁
冷蔵のフレッシュなムール貝が食べられる
例年7月末に解禁するため、心待ちにしている方も多いと思います。
日本にもフランスから採れたてのムール貝が冷蔵で空輸されます。
レストランやこだわりの輸入食材を扱う専門店を除くと、一般入手は難しい希少な品です。ぜひ夏の味覚をお楽しみください。
殻は小ぶりで色ツヤが美しい
ふっくらとした厚みのある身は柔らかく甘みがある
ムール貝の養殖方法は様々ありますが、杭打ち式養殖法の場合は、海底と接することがないため、殻の中に砂や小蟹などの寄生生物が入ってくることがありません。殻の表面も少し青みがかったとても美しい色ツヤをしており、足糸(そくし)と呼ばれる藻のような繊維もほとんど付いていません。
殻は日本で馴染のあるムール貝と比べると小さめですが、ふっくらとした厚みのある身で、滑らかで柔らかく、とろけるような食感と甘みのあるクリーミーな味わいがあります。加熱してもほとんど縮むこともありません。
ココットにどっさり入った
ムール貝の白ワイン蒸しがフランスの定番
フランスではムール貝の白ワイン蒸しを注文するとココットや小さめのバケツにどっさり入って出てきます。それを一人1杯ずつたくさん食べるのです。
ムール・フリットと呼ばれるフレンチ・フライドポテトのセットも人気です。
出汁にはムール貝の旨味が凝縮されています。出汁を煮詰めてパスタやバゲットと合わせると最後の一滴まで余すことなく堪能できます。
1パックに約1390gで目安として120〜140粒入りです。
たっぷりと届きますので、自宅での夕食や友人たちとの食事会にもオススメです。食べ切れない場合は、ジップロックに入れて冷凍保存して早めにお召し上がりください。
文・植竹 伸行