赤坂 四川飯店の中華おせち|通販・お取り寄せ
赤坂 四川飯店
愛され続けて50年余!
陳親子が三代かけて
磨き上げてきた、
いぶし銀の中華おせち。
赤坂四川飯店の
中華おせち
12月27日に年内の営業を終了すると、あとは従業員総出でおせちを作ります。
「四川飯店」の創業者である先々代の陳建民氏が始め、 先代の陳建一氏、そして三代目の陳建太郎氏と受け継ぎ、 磨き続けてきた四川飯店伝統の味です。
料理は全6品です。
右から時計回りで、海老のチリソース=乾焼明蝦、あわびの香り煮=美味鮑魚、
豚ロース肉の甘酢煮=糖醋肉塊、牛すね肉の塩漬け煮=川香牛肉、
四川スモークダック=樟茶鴨脯、そして中央が帆立貝柱煮=滷汁鮮貝です。
年末年始の特別なご馳走としてお届けいたします。
左が、四川飯店3代目の陳建太郎さんです。
「ちょっと見た目は地味だとよく言われますが、自分で言うのもなんですが、味には自信があります。温めなくてもさらに美味しくいただけるように、毎年少しずつ改良を加えてきています。この中華おせちは、四川飯店がこの赤坂に店を構えた年(1970年)から作り続けています。もう50年を超えています。私も物心がつく前から食べていたそうです。
毎年12月28日からスタッフ総出で作るのが恒例で、私は小学生のころから朝5時にはお店に行って手伝ったのをよく覚えています」
元dancyu編集長
うまいもん筆頭目利き人町田 成一より
dancyuで四川飯店を初めて取材させていただいたのは1990年の創刊号でした。陳建太郎さんが、中華おせちのお手伝いをしていた頃かもしれません。それから30年余。この間の四川飯店の発展と、料理の進化は素晴らしいものがあります。
中華おせちも同様です。家族みんながそのまま食べて美味しいと言ってもらえる味を地道に追求していく。見た目の華やかさや驚きを狙うことはしない。まさに、いぶし銀の味わいです。このようなお料理を家族で囲んで年末年始を楽しめるのは本当に幸せです。
海老のチリソース=乾焼明蝦
海老のチリソース=乾焼明蝦(ガンシャオミイシャー)に使われている豆板醤は、赤が華やかで唐辛子特有の香りが豊かな1年ものを使用しています。ピリっとした辛さがケチャップの甘さの後にじわりと広がりクセになる美味しさです。 「海老は、殻と身の間に旨味が詰まっているので、殻付きです。そのまま食べられるように調理してあります。私はご飯と食べるのが大好きです。ソースをたっぷりお付けしていますので、ソースをバタートーストに塗るのも楽しいです」と、陳建太郎さん。
海老はブラックタイガーで1尾45g前後のものをサイズ指定で仕入れています。1尾ずつ丁寧に塩ゆでした殻付きの海老に特製のエビチリだれを絡ませてから火にかけます。油を度々入れながら焦げないようにボウルで返しじっくり火を入れていきます。こうすることで香辛料や海老の香りが引き立ちます。無駄な水分をきちんと飛ばすことで、味がしっかりと入ります。味付けは、おせちが冷蔵でお手元に届いた時にちょうど味がなじんでいる状態を考えています。
あわびの香り煮=美味鮑魚
あわびの香り煮=美味鮑魚(メイウェイポァオユイ)は、美しく贅沢な見た目がおせちに華やかさを添えます。四川飯店で継ぎ足し使われている特製の煮汁でじっくり柔らかく煮込まれた後、料理人が1つずつ丁寧にスライスしました。鮑は柔らかくも程よい弾力の歯ごたえを残しています。香辛料と仕上げのごま油の風味が高く香る、味わいも上品な仕上がりです。
「あわびはお酒を呼びます。一つのあわびを14〜16切れに均一にスライスし、美しく並べる技術は四川飯店の誇りです」と、陳建太郎さん。
鮑の原料は、ゴールドプリンスというオーストラリア産を使用しています。そのまま食べても塩梅と歯ごたえが絶品。おせちを作り終えたと同時に来年の発注をするというほどに人気の品だそうです。
あわびを煮込む、四川飯店特製の煮汁=滷水(ルースイ)は継ぎ足しで使われてきた様々な旨味が溶け込んだ特別な煮汁です。鶏と豚の出汁をベースに、八角、山椒、陳皮、桂皮、丁子、唐辛子などの香辛料が使われています。普段、お店ではタンや豚の耳などの肉料理にも使うそうです。
鮑は滷水(ルースイ)で90分ほどじっくり煮込み味を染みこませます。その後、熱々の状態でごま油にどっぷり浸し、ごまの香りを付けながら鮑の表面が乾かないように仕上げます。艶々とした美しい鮑が完成します。
鮑の香り煮は料理人が1つ1つ包丁で薄くスライスして最終仕上げです。二代目の陳建一氏はよくここの作業に加わって、黙々とスライスをしていたのだそうです。薄くスライスされた鮑の香り煮は美しい仕上がりで目でも楽しめる一品です。
豚ロース肉の甘酢煮
=糖醋肉塊
豚肉を使ったメニューは中国のお正月には欠かせません。豚ロース肉の甘酢煮=糖醋肉塊(タンツウールウクワァイ)は、豚ロースの塊肉に丁寧に塩を擦り込んで下味を付けます。この下味の付け方で、ケチャップベースの甘酢だれが生きるか否か決まるため重要な工程です。
「食べやすい味付けのため、お子様にも喜んでいただける一品です。ずっと噛んでいたい、と私はいつも思います」と、陳建太郎さん。
牛すね肉の塩漬け煮
=川香牛肉
牛すね肉の塩漬け煮=川香牛肉(ツァンシャンニュウロウ)は、先々代の陳建民氏も愛した味。1か月ほど前から肉の塩漬けを始め、柔らかく煮込まれます。
「これぞ、ザ中国料理という味です。そのまま食べて美味しいように作っていますが、青菜などの野菜と一緒に炒めて食べるのもおすすめです」と、陳建太郎さん。
四川スモークダック
=樟茶鴨脯
中国ではお祝い事に鴨料理をよく使います。四川スモークダック=樟茶鴨脯(ザンツァーヤープウ)は、自家製スモークで香り高く燻した合鴨を、四川飯店の継ぎ足し煮汁=滷水(ルースイ)で煮込みました。食べ始めたら止まらぬ味。赤坂四川飯店の副料理長の宮本雅章さんは、「中華おせち全6品の中でも最も好きなメニューです。子供も大好きで1番先になくなってしまいます」とのことです。
帆立貝柱煮=滷汁鮮貝
帆立貝柱煮=滷汁鮮貝(ルーズゥーシェンベイ)は、四川飯店の継ぎ足し煮汁=滷水(ルースイ)で90分ほどじっくりと炊きます。貝柱の形を崩さないように丁寧な火入れをする必要があるため、高い技術が必要です。陳建太郎さんが、小学5年生頃におせち料理の手伝いに加わった当初、盛り付けを任されたのがこの帆立貝の柱煮だったそうです。
「少しほぐしてスクランブルエッグに混ぜたり、スープに入れても美味しく楽しめます」と、陳建太郎さん。
四川飯店おせちで
年末年始の
家族だんらんを。
三代目の陳建太郎さんが物心ついてから35年以上も前から、メニューは大きくは変わっていないそうです。
少しの気温の違いなどでも塩分濃度が変わり、食材の硬さも変わってしまいます。細部にまで慎重に気を配り、料理1品1品を丁寧に仕上げるだけでなく、器に綺麗に盛り付ける技術、丸い大きな器全体を美しく見せる技術など、こだわりが詰まっています。
「四川飯店のおせちで一家だんらんを過ごしてもらいたい」という陳建太郎さんの願いもこもった四川飯店の味です。12月31日着でお送りいたします。
中央に三代目 陳建太郎氏。左に赤坂四川飯店料理長 田中良司氏、右に副料理長 宮本雅章氏。
文・田中利佳(食文化)
撮影・八木澤芳彦