ブータン料理専門店 ガテモタブン
ブータン料理専門店 ガテモタブン
代々木上原
トウガラシを野菜として
世界一食べるブータンの料理
ヒマラヤの幸せの国
ブータンの
「モモとエヅェ」
うまいもん筆頭目利き人
町田 成一より
ブータンの料理は、しばしば世界一辛い料理として紹介されます。ところが、これは違うそうです。 「正しくは、ブータンは世界一トウガラシを食べる国、だと思います」と、日本ブータン友好協会の事務局長・渡辺千衣子さんは語ります。 渡辺千衣子さんにブータンの料理の解説をお願いしました。 お届けできる商品は、2006年に代々木上原に開店したブータン料理専門店ガテモタブンと渡辺千衣子さんのレシピによる「モモとエヅェ」です。モモは蒸し餃子、エヅェはトウガラシでつくる野菜料理です。
ブータン料理専門店
ガテモタブンです。
ガテモタブンは、2006年に東京・代々木上原の商店街に、日本初のブータン料理専門店として生まれました。店名のガテモは、ブータンのゾン語で「ここはどこ?」、タブンは日本語で「多分」だそうです。首都ティンプーの雑居ビルの居酒屋にいるような、ブータンの家庭に招かれたような。「ここはどこ? たぶんブータン」。これが店名の由来です。 ガテモタブンは、幸せの国と言われた古き良き時代のブータンの、家庭料理を楽しませてくれるお店です。
日本ブータン友好協会の
渡辺千衣子さんです。
1981年に設立された日本ブータン友好協会で事務局長をつとめる渡辺千衣子さんに料理の解説をお願いしました。 渡辺千衣子さんは、日本のブータンのアマ(母の意味)と言われています。ガテモタブンの創業メンバーのお一人で、現地の家庭や留学生から教わった料理をレシピにして、お店のメニューをつくっています。
モモとエヅェです。
ブータン王国はヒマラヤにある、チベット仏教が盛んな仏教国です。モモはそのお祭りに欠かせない料理の一つで、人が集い、皆で楽しくつくっていただくのが習わしだそうです。
画像中央がエヅェです。エヅェはブータンの人々のソウルフードの一つ。トウガラシを使った辛い野菜料理で、これをおかずにご飯を食べるそうです。今回は餃子の薬味としてお楽しみいただきます。
「エマダツィ」が
国民食です。
ブータン王国では、トウガラシを野菜としてたくさん食べます。ヒマラヤに位置するブータン王国で、トウガラシの栽培が気候風土にあっているのだと思います。今でこそ美味しい野菜に恵まれていますが、それでもブータンでは子供の時からトウガラシを食べて育ちます。
肉や乳製品も大好きです。古くからヤクの肉や、その乳を使ったチーズなどを食べてきたからだと思います。エマダツィは、生トウガラシとチーズを塩味で整えたシンプルな家庭料理です。一日3食エマダツィという人も多いというほどの国民食です。ガテモタブンでは、東ブータンでよく食べられているスープタイプを供しています。
「パクシャパ」は
ご飯がすすみます。
ブータン王国はお米が主食です。市場に行くとさまざまなお米が売られています。ふだんは、エマダツィでご飯をたっぷりと食べるのです。パクシャパは、豚肉を使ったちょっと贅沢なごちそう料理の代表的なものです。日本におけるステーキの位置付けかもしれません。材料は、豚バラ肉、大根、トウガラシ(乾燥)。これらを塩味で煮炒めしたものです。ご飯がすすみます。
モモはお祭りに
欠かせない料理です。
ブータン王国はチベット仏教が盛んな仏教国です。モモは、そのお祭りに欠かせない料理の一つなんですね。人が集い、皆で楽しくつくっていただくのが習わしです。豚肉と玉ねぎの蒸し餃子です。調味料として山椒を使うのが特徴です。山椒はブータンから取り寄せたものです。風味と辛味が日本のものとはずいぶん違います。
エヅェは
トウガラシ料理です。
エヅェはトウガラシを使った家庭料理です。ご飯のおかずですね。家庭ごとにその家の味があると言われるほど、決まったレシピは無い料理でもあります。
ガテモタブンのエヅェは、留学生から教わったレシピがもとになっています。玉ねぎを2時間ほど炒めてから、ブータン産のトウガラシと山椒を加えてゆっくりと火にかけながら練り合わせたものです。とっても辛いのですが、独特の深みもあるお料理です。今回は餃子の薬味としてお楽しみいただきます。
エヅェをつけるのが
ブータンの味。
モモはお祭りなどのハレの日に楽しむ料理として親しまれています。
ガテモタブンのモモは、豚肉と玉ねぎの餃子です。
味付けは、ブータン産の山椒、ほかに生姜と塩だけ。玉ねぎの甘さと山椒のピリッとした風味のバランスが絶妙です。エヅェというブータンの野菜料理を薬味としてつけて食べてください。辛みと旨みが増して、さらに美味しくなります。
決め手はブータン産の
山椒です。
ブータンの山椒は、中国の花椒や日本の山椒とは風味が違います。ちょっとレモングラスを思わせるような、爽やかな風味があります。もちろん、きちんと痺れます。
具材は豚肉と
玉ねぎです。
豚肉は国産です。ブータン産の山椒は風味が強く残るよう、調理する直前に細かく粉砕しています。皮は山梨県甲府市の三沢製麺に特注しています。最高ランクの小麦粉、室戸沖の海洋深層水塩を使った、つるりとした食感が楽しめます。
蒸籠蒸しが
おすすめです。
ブータン料理でよく用いられている調理法が蒸しです。モモは蒸籠蒸しがおすすめです。冷凍便でお届けしますので、解凍せずにそのまま12〜15分ほど蒸してください。
辛さと旨味の
「エヅェ」。
エヅェは、ブータンの各家庭に秘伝のレシピがあるといわれているほど、ブータンではなじみの深い野菜料理です。ブータン人にとってエヅェは日本の漬物のような感覚の存在です。
ブータン産の
乾燥唐辛子です。
エヅェはトウガラシ、塩、油が基本の素材で、この3つはどの家庭でも使われているそうです。ガテモタブンでは、これらに玉ねぎと山椒を加えています。にんにく、コリアンダー、トマトを入れる家庭もあるそうです。
つくり方は、玉ねぎを油で2時間ほどしっかりと炒め、ブータン産の粉唐辛子と山椒をゆっくりと火にかけながら練りあげます。ブータン産の乾燥トウガラシはダシのような旨みがたっぷりです。辛いだけではありません。
モモとエヅェは
相性抜群です。
餃子にエヅェを少しだけ付けてお召し上がりください。モモの豚肉の脂、玉ねぎの甘さ、エヅェの辛さと旨味が口の中で順番に感じられ、とても相性がいい味わいです。
エヅェはとても辛いので、くれぐれもつけすぎないよう注意してください。エヅェは20g分お届けします。余ったら冷蔵庫で保管し、肉料理に合わせるのがおすすめです。
文・大村花恵
撮影・八木澤芳彦
Gatemo Tabum(ガテモタブン)
東京都渋谷区上原1-22-5 1F
TEL 03-3466-9590
営業時間
ランチ 11:30-14:00(土日祝-14:30)
ディナー18:00-22:00(L.O.21:30)
月・火曜休み