桃、カラメル、ココナッツの香り
希少な品種
「桃薫(とうくん)いちご」
「桃薫」はモモやココナッツ、カラメルのような甘くフルーティーな香りを持ちます。
また、果肉は非常にやわらかく、多汁です。みずみずしい果肉は他のイチゴにはない食感です。
糖度はそれほど高くないため、
清涼飲料水のよう、すっと食べられてしまう、と表現する人もいます。
いちご好きには是非知っておいていただきたい希少品種です。
野生種譲りの官能的な香り
桃薫は栽培いちご同士の交配の枠を超え、野生種との種間交雑によって生まれました※。
より大きな特徴の変異を発現させ、新たな需要を創出することが育種元である農研開発機構の目的でした。
その結果、いちごの香りの一般的な成分といわれる「リナロール」が少なく、
モモ様、ココナッツ様、カラメル様の甘い香気が多く含まれるいちごが出来ました。
ワイルドストロベリー譲りの官能的な香りです。
魅力的ないちごですが、農家が栽培する品種としては難点が数多くあります。
硬度が低く輸送性が悪い、早生性に欠ける(農家の収穫ピークの12月に収穫が難しい)など。
その結果、全国的にもほとんど作られていないマニアックな品種となってしまいました。
(※農研機構の野菜茶葉研究所と北海道農業研究センターが育成し、2011年(平成23年)に品種登録されました)
「桃薫」専用ハウスを持つ
シックスベリー
ファーマーズ
松田義人さん
シックスベリーファーマーズ代表を務める
お父様・松田肇さんの時代から
静岡県焼津市でいちご栽培を始めて50年になります。
長年培った技術と高設促成栽培とで
桃薫の長所すべてをよいバランスで引き出す生産者です。
「今までとは全く別の個性をもったいちごで驚いた。」と桃薫に惚れ込み、栽培を初めました。
今では高い評価を受け、高級タルト店から指名買いを受けています。
地元大井川エリアにて、いちご新規就農者の修行請負人としても活躍される松田さんですが、桃薫作りは絶対おすすめしない、と断言します。
「仮に返済計画の中に桃薫の文字があったら、融資がおりないよ(笑)」と。
それだけ、収穫までリスクのある品種のようです。
技術だけではなく、経営的にも尖ったこの品種「桃薫」をハウス1棟分美味しく作り続けることは容易ではないのです。
非常に繊細な
管理が求められる
「桃薫」
桃薫の収穫時、松田さんはハサミを使用しています。
果皮、果肉が非常にデリケートであるため、手で摘み取ろうとすると簡単に潰れてしまいます。通常、はさみを使っていちごを収穫することはほとんどありません。
桃薫は実は芽の数、花の数が多い品種のため、時間がかかるうえに一つ一つ丁寧な収穫が求められます。
収穫は桃薫専門スタッフで
行います。
桃薫の果皮は赤色ではないため、適熟の見極めが難しいです。
ベビーピンクの色合いだけではなく、ツヤや果形、そのニュアンスなどを総合的に判断することで適期を見極めています。熟練のスタッフではないと難しいそうです。
桃薫は糖度がもともと高くない品種のため、ごまかしが利きません。
魅力である桃薫本来の香りをきちんと届けられるように細心の注意を払います。
桃薫に最適な環境で育てる
桃薫専用ハウスで最適な環境制御を行い育てています。
隣のハウス「きらぴ香」とは異なる条件です。
ハチもマルハナバチやミツバチを使い分けています。
(ハチの)仕事の仕方が違うそうで、受粉や果形の影響があるといいます。
暖房機で温かい空気を循環させながら、光合成に必要なCO2濃度は400ppmを切らないように時間帯、気温に合わせた管理も行います。丁寧な管理が美味しい桃薫づくりの秘訣なのです。
松田さんの桃薫を
お楽しみください
収穫開始時期は他の品種に比べ遅めです。
12月上旬〜5月の終わりころまで収穫が続きます。きらぴ香とのセットは3月までの限定品です。