山本海苔店 旭の海 お取り寄せ・通販
山本海苔店 東京・日本橋室町
海苔のおいしさは
“口どけ”にあり!
山本海苔店は、嘉永2年(1849年)に、東京・日本橋室町に創業した、日本を代表する海苔専門店です。代表取締役の山本貴大社長に、おいしい海苔とは何か? を伺いました。
追求してきたのは、口どけの良さです。
「良い焼海苔の条件とは、一般的には色調・焼色、艶(つや)、形が重視されています。山本海苔店ではやわらかさ、口どけの良さこそが良い海苔の第一条件である、さらにはうま味が豊かなものが良い海苔である、としています」と、山本貴大社長は語ります。
焼海苔に穴が空いています。
山本海苔店の代表ブランドである極上銘々海苔「梅の花」や、特撰極上銘々焼海苔「旭の海」をはじめとする同社の商品の多くは、海苔を光にかざしてみると、無数の小さい穴が空いています。
「この穴がポイントなんです」と、山本社長は強調します。
元来は海苔の評価を下げていたこの小穴こそが良い海苔の条件であるという、見た目を重視してきた海苔の評価を180度転換させたのが山本海苔店だというのです。
この海苔は、水に触れると、さっと溶けてしまいます。舌の上でも同じです。パリッと噛んで弾けたと思ったら、旨みと香りだけを残して、きれいに舌から消えていきます。ラーメンに入れたら麺を掴む間もなく溶けてしまうような海苔なのです。
やわらかな一番摘みを使います。
山本海苔店の海苔は、ほとんどが有明海で育ったものです。なかでも、「一番摘み」「初摘み」と呼ばれる採苗してから摘採まで30日ほどまでの若い海苔だけを使います。この一番摘みでつくる焼海苔は、やわらかく、口どけが良いのが特長です。
旭の海には、通常よりもさらに早摘みした海苔を使っています。それは極めてやわらかいため、焼いたときに縮んで、小さな穴が空くのです。
味附海苔の元祖です。
この缶に見覚えのある方は多いと思います。「梅の花」は、山本海苔店の進物用の代表ブランドです。焼海苔と味附海苔のセットが定番です。
焼海苔は、海苔が口の中で溶けながら、深みのある甘みとうま味を感じます。味附海苔は、明治2年に、二代目の山本德治郎が開発しました。
「明治天皇の京都還幸に際し、御所への東都土産のご下命を賜り、味附海苔を苦心創案。これを機に宮内省(庁)の御用を賜るようになった」(山本海苔店の社史より抜粋。※現在は宮内省御用達制度は廃止)。
味付けは、醤油、みりん、砂糖、唐辛子とシンプルです。ご飯を欲する味わいです。
「二代目は現在で言うマーケティングの手法を取り入れ、顧客ニーズに応じ海苔を8種類に仕訳をして販売したのです。当時としては画期的で、ここから海苔は山本と言われるようになりました。
その8種類とは、①食(自家用)②棚(進物用)③焼(焼海苔の原料用)④味(味附海苔の原料用)⑤寿司(寿司屋の業務用)⑥蕎麦(蕎麦屋の業務用)⑦裏(卸用)⑧大和(佃煮用)です」と、山本社長は語ります。
現在では、海苔の格付けによる違いも含めて45種類にも仕訳されているそうです。
焼海苔の最高峰です。
この45種類の中の、焼海苔の最高峰が「旭の海」です。極上銘々海苔「梅の花」を超えると判断されたごく一部の特撰極上銘々焼海苔です。口どけと甘みが違います。口の中での甘い甘い余韻を残しながら、なめらかに溶けていきます。ご飯のお供というよりは、上質な純米大吟醸と共に楽しみたい焼海苔です。おつまみの最高峰と言い換えてもいいかもしれません。
「焼きのり箱」は、焼きたての風味が楽しめます。
酒の肴として焼き海苔を楽しむために、山本社長がおすすめしてくれたのが「焼きのり箱」です。炭火で海苔を軽く温めていただきます。
「海苔は焼きたてがおいしいのです。炭火で海苔を温めることで、その風味を再現できます。焼きたての海苔のパリパリ感、香りをぜひ体験していただきたいのです」
箱の下に火をつけた炭を入れ、海苔を置きます。蓋をして10分ほど待つと海苔が温まり、パリッとした歯切れの良い海苔になります。旨みも香りも格段に良くなります。
お酒がすすみます。旭の海には純米大吟醸とお伝えしましたが、こちらは純米酒のお燗が欲しくなります。
文・白石さやか
撮影・八木澤芳彦
うまいもん筆頭目利き人
町田成一より
おいしい焼き海苔をつまみに酒を飲む。大人の楽しみですね。
ちょっと血圧が高めで、海藻類をよく食べてくださいね。と言われている身としては、海苔は堂々といただける貴重なおつまみです。海苔には、動脈硬化や脳梗塞の予防にもいいとされるEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれているのも、たいへんに嬉しいところです。
「旭の海」と「焼きのり箱」。
朝に夜に。日常に、いい海苔がある幸せを実感しています。