水産王国 愛媛県が
養殖技術を確立
超希少な高級魚
「クエ」を
いつでも食べられる時代がやってきた!
クエの天然物は超希少
九州では「アラ」と呼ばれ
市場では高値で取り引きされる王者の魚
クエは関東ではあまり馴染みがない魚ですが、 九州では「アラ」と呼ばれ、冬にアラ鍋を囲むのは最高の贅沢となっています。
大相撲の九州場所が始まる頃には九州各地から福岡にクエが集まり、力士は心待ちにしていた「アラちゃんこ」を食べて力を養います。
愛媛県では宇和海南部の愛南町沿岸などで天然物が漁獲されますが、めったに獲れることのない魚で、時には1kgあたり1万円を超える高値で取引されるため
漁師の間では「幻の高級魚」と言われています。
クエは当初は全てメスで、繁殖を繰り返しながら成長し、強靭な肉体で多くの仲間を従え、競争に生き残った頂点にいる個体だけが、オスに性転換します。
さらに何十年も成長し続け、数十キロの巨体になります。
まさに「横綱」ともいえる王者の魚です。
そんな超高級魚が愛媛県の養殖技術によって、安定的に自宅で食べられるようになったのです。
愛媛県の研究者が昼夜を徹し
10年以上かけてクエの養殖を成功させた!
愛媛県は魚類養殖の生産量が全国第1位(※R2漁業・養殖業生産統計年報)で、なかでも宇和海沿岸でのマダイやブリ、スマ、マハタといった魚の養殖が盛んな水産王国です。
ところが、長年の魚価低迷や飼料コストの増大が養殖業者の経営を圧迫しているため、クエなどの高級魚の養殖に力を入れるようになっていきました。
愛媛県農林水産研究所 水産研究センターは明治33年の創設以来、優に1世紀を超える歴史があります。
ここでは平成4年(1992年)からクエの研究をはじめ、2000年代初めには、卵からふ化させた稚魚を大量に安定して生産すること(種苗量産)に成功しています。
ここまでの道のりは研究者にとって苦難の連続で「最初は孵化した稚魚が30日くらいでほぼ全滅してしまったり、奇形が生まれてきたこともあります。稚魚の様子がおかしいと夜間でも駆けつけたり、と苦労が絶えませんでした。
1年に1回しか受精のチャンスが無いので、なかなか研究を進めることもできませんでした。」
と、県の職員は言います。
受精卵からの生存率は数%
水産研究センターでは成熟シーズンである5月中旬から6月にかけてメスの親魚とオスの親魚から人工授精により受精卵を得ています。
卵は水槽で孵化させて2〜3cmまで成長したところで、サイズ選別などを行いながら10〜15cmまで育成し、11〜12月に養殖業者に配布されます。
現在でも受精卵から稚魚として養殖業者に出荷されるのはわずか数%しかいないという狭き門なのです。
強い系統だけを選抜!
水産研究センターの生簀のクエは1尾ずつタグで個体管理をして、毎年の産卵成績や抗病性、性転換の管理などとあわせて生産計画が立てられています。メスからオスに性転換するといっても、長く生育させればいいという訳ではないのが種苗研究の難しさでもあります。
宇和海のリアス海岸は海の栄養を循環させる好立地
元気に餌を食べる姿は迫力がある!
養殖場の様子。餌は争奪戦です。
うまいもんドットコム代表の萩原と
3kgサイズのクエ
愛媛県の養殖生産は宇和海のリアス海岸からなる急深な海域で盛んに行われており、クエの他にもマダイやクロマグロ、スマなどもこの場所で養殖されています。
年間を通して海水温が暖かく、黒潮分岐流により海の栄養が循環するため養殖魚にとって元気に育つ条件が揃っているのです。
水産研究センターから配布されたクエのこどもはここで3〜5年の養殖期間を経て2〜3kg程度で出荷されます。
令和2年の時点で宇和海では約15万尾(参照:Eのさかな)が養殖されていますが、マダイと比べるとわずか1%未満と、とても希少なことがわかります。
活〆したクエを冷蔵でお届けします!
鍋・刺身・から揚げ・煮つけ・塩焼きで1尾丸ごと味わい尽くす
愛媛の養殖のクエは1年間を通して楽しむことができますが、当店では水揚げしたクエを生のままお届けすることができます。
クエは内臓も皮もヒレも食べることができて、コラーゲンも豊富です。1尾を捌いて半身とアラは鍋や煮つけ、残りの半身はから揚げにしたり、昆布締めして数日寝かせてから刺身で食べると余すことなく味わえます。
鍋は昆布とアラで出汁をとったスープにクエの切り身と白菜や長ネギ、椎茸、人参などの野菜を入れてじっくりと煮込みます。
白身は口の中でホロリと身が崩れ、あっさりとした上品な味わいで、アラの周りのコラーゲンは溶けてプルプルとした食感になります。
最後は〆の雑炊を食べることもお忘れなく。
調理の腕に自信のある方は、ぜひ生のクエを取り寄せて、色々な料理でお楽しみください。
冷凍のクエ鍋・刺身セットなら手軽にクエ料理を楽しめます
もっと気軽に味わいたい方にはクエ鍋用の切り身と刺身とアラ付きのセットを冷凍でご用意しています。 刺身はクエ鍋でしゃぶしゃぶしながら食べてもいいですし、昆布締めしてから刺身で食べるひと手間を加えても美味しく召し上がれます。