Jam工房Eiko
名店の味 Jam工房Eiko
志賀高原の桃でつくる
2種の傑作です
大庭英子さんの桃ジャム
8月23日発送分は早生品種の白鳳(もしくはあかつき)で作った「桃ジャム」です。8月30日発送分は長野県を代表する晩成種の桃「川中島白桃のジャム」をお届けします。30日発送分に限り、桃ジャムと川中島白桃のジャムの食べ比べセットをご用意しました。
美しい色に心を
奪われます。
ピンク色に輝く桃のジャムです。まずはスプーンでひと口食べてみてください。やさしくてまろやかな香りがふわっと鼻にぬけ、みずみずしい味わいが広がります。フレッシュな桃とはひと味違う、ぎゅっと詰まった「桃よりも桃らしい味」が楽しめます。
なぜ、そうなのか。その理由は大庭英子さんが編み出したつくり方にあります。力強い旨味のある桃の皮をむかずに、一つひとつ丁寧に産毛を取り除いて皮ごと使うのです。手間はかかりますが、その分、香りよく、自然の美しい色に仕上がります。また、皮はペクチンたっぷりだから、とろ〜りなめらかな舌ざわりになるのです。
料理研究家歴40年の大庭英子さんがご自宅の厨房で手づくりする特別な桃ジャムです。製造時期によって桃の品種が異なるため、2種のジャムをお届けします。早生品種の白鳳(もしくはあかつき)と、晩生種の川中島白桃です。
長野県産の白桃系の
桃を使います。
大庭英子さんが使うのは、すべて長野県志賀高原の麓で栽培された桃です。7月末から8月前半にかけては、白鳳、もしくはあかつきを使います。果汁が豊富で、芳醇な桃らしい香りの強いことが特徴の桃です。8月後半は川中島白桃です。しっかりとした甘みのある長野県を代表する晩生種です。
フルーツソースとしても
おすすめです。
ソースとしてデザートに添えるとチャーミングなピンク色が際立ちます。カッテージチーズを包んだクレープにかければ、ジャムの甘味が引き立って素敵な一皿になります。
夏らしいスイーツにも。
桃ジャムの寒天寄せもおすすめです。凝縮した味わいのジャムだからこそできる和スイーツ。ほっとするピンク色に、ひんやり、つるり。暑い夏、疲れた体へのご褒美に!
桃ジャムの魅力に
迫ります。
桃の産毛を丁寧に
取ります。
大庭英子さんは桃を皮ごと使います。桃の果皮にある産毛を丁寧に取り除きます。まるで赤ちゃんの沐浴のように、桃を一つずつ丁寧にガーゼでやさしく洗います。
桃がつやつやになりました。
覆われていた産毛がとれて、果皮の色が濃いピンク色になりました。「桃ジャムは皮が大切です。皮を使うからこそ、風味の良いジャムになります。自然な美しい色にもなります」と、大庭英子さん。美味しいジャムのためなら、手間ひまを惜しみません。
カットしていきます。
種回りに沿って果肉をカットします。短時間で煮上げるために、さらにスライスします。桃をスライスすることで、桃の香りをより引き出すことができるそうです。
砂糖をまぶします。
桃に対し5〜6割のグラニュー糖を加え、2時間ほど置きます。桃は水分が多く、砂糖が早く溶けるので、ほかのジャムに比べて時間は短めです。
大庭英子さん愛用の
銅鍋で煮ます。
水を加えずに桃から出る水分だけで煮ます。煮る時間は約20分です。すっきりとしたクリアな味に仕上げるため、アクは丁寧に取り除きます。
レモン汁を加えます。
桃ジャムに欠かせないのがレモン汁です。大庭英子さんは国産のレモンをたっぷり搾ってジャムに加えます。この酸味が、桃の風味を鮮明にします。褐変を防ぐ効果もあります。
色が変わりました!
レモンを加えると桃ジャムの色が鮮やかなピンク色に変化しました。煮汁に透明感が生まれ、味が引き締まり、桃の風味が際立ちます。
煮上がりました。
部屋中に桃の香りが広がります。照りととろみが出てきたら、出来上がりです。
熱いうちに瓶に詰めます。
大庭英子さんは、ジャムを瓶の淵までたっぷりと注ぎ入れます。「ジャムをたっぷり楽しんで欲しいので、瓶のギリギリまで入れます。冷めると沈みますからね」と、大庭英子さん。
出来上がりました。
脱気のため、ジャムが入った瓶を熱湯で10分ほど湯煎にして完成です。
本物のジャムを
お楽しみください。
ジャムの蓋を開けた途端に桃の香りが押し寄せてきます。果肉、果汁、果皮。桃が丸ごと凝縮されているので、味わいも濃厚で豊かです。
大庭英子さんのジャムは、いわゆる甘さ控えめのジャムではありません。「ジャムは、しっかりと甘くすることで自然なとろみが出ます。そして凝縮感のある濃厚な香りと味わいになります。これがジャムのおいしさです」と、大庭英子さんは力強く語ります。まさに本物。今や希少な正統派のジャムです。
8月は桃ジャム2種のほかに、ブルーベリージャムもあります。大庭英子さんのジャムは、現状、当サイトのみで販売しております。
文・林麻実
撮影・天方晴子