寿司・割烹「木屋町 蘭」 京都「蘭の鱧寿司」
寿司・割烹「木屋町 蘭」 京都
京都の寿司・割烹の名店
「木屋町 蘭」の
超贅沢な鱧の棒寿司です
蘭の鱧寿司
ほかに、鯖寿司、雀寿司、
穴子寿司もございます。
堂々たる鱧寿司です。
「鱧(はも)を食べた!」という満足感が素晴らしい、堂々たる鱧の棒寿司です。
「木屋町 蘭」が使う鱧は、淡路島産の原魚で700g超のもの。肉厚な、腹の部分だけを使います。これが、京都で三代にわたって各界の著名人や先斗町などの花街のお客様に愛されてきた寿司と割烹の名店の矜持です。
鱧一尾で
鱧寿司一本です。
これだけのものが、竹皮に美しく包まれて送られてきます。
「鯖や鱧の棒寿司は、“なれ寿司”ですから、できたてよりも翌日のほうが、味がなじんで美味しくいただけます」と、店主の淺岡照一さんは語ります。
今回は、7月の祇園祭が始まる頃から10月の秋口にかけて提供している鱧寿司をお願いすることができました。
三代目主人の
淺岡照一さんです。
蘭は、京都の木屋町通り沿いにお店があります。鮮魚店を営んでいた初代がこの地にあった料理店の屋号ごと引継ぎ、昭和二十四年に寿司店として開業しました。
元祖お漬け物寿司をはじめ、瀬戸内・高砂産の炙り穴子の握り寿司、まぐろの薄づくり、京都産の松茸のフライなどで知られているお店です。
「最高の食材をもっとも美味しく、お客様のお好みに合わせて提供するスタイルのお店です」と、三代目主人の淺岡照一さんは語ります。
ほくほくに
焼き上げる串打ち。
鱧は、身の厚い部分だけを使います。骨切りをし、串打ちをして鱧専用の焼きダレをぬって、こんがりと焼き上げます。串打ちした後に鱧の身をぎゅっと中心に寄せて焼くことで、焼き上がりがより肉厚でふっくらとします。
寿司飯に海苔を
忍ばせます。
ご飯は、やわらかめに炊いた江州米です。味付けは、酢と砂糖と塩だけです。鱧寿司は、寿司飯の中に入れる有明産の海苔がポイントで、上品な甘辛い焼きダレと鱧の香ばしさに海苔の風味がよく合います。
鱧を寿司飯と
一緒に巻きます。
さらしを敷き、鱧に寿司飯をのせます。まずは手で寿司飯の形を四角く整えます。これが蘭のやり方です。寿司飯は1本あたり約400gです。
鱧はふわっと
仕上げます。
さらしでぎゅっと巻き、さらに巻き簾を使って形を整えながら、寿司飯の中の空気を丁寧に抜いていきます。「鱧寿司の場合は、鱧の食感を残すために、鱧そのものはあまり強く巻かないことが大切です」と、淺岡照一さんは語ります。
仕上げに
ツメを塗ります。
鱧用の焼きダレを煮詰めたツメを塗ります。艶々と美味しそうです。
厚めに10切れ。
大満足です。
出来たての鱧寿司よりも1日ねかせたほうが味が締まります。皆様のお手元に届く時がちょうど食べごろです。
ほかにも京寿司が
ございます。
「鯖寿司」が
一番人気です。
鯖寿司は、焼津から直送される、原魚で1kg超の真鯖しか使わない、蘭の京寿司の中でも一番人気を誇る定番です。鯖と寿司飯の間には刻んだ自家製のガリが入っています。鯖の上から甘酢で炊いた白板昆布をまとわせて、竹の皮に包まれて送られてきます。
焼津産の原魚
1kg超の真鯖です。
淺岡さん曰く、「焼津産の1kgを超える鯖は、脂の入り方、身の厚さが違います」。
塩を当てること半日、生酢に漬けること20分から30分。その後、冷蔵庫で一晩ねかせて酢を十分に行き渡らせてから使います。
「雀寿司」は
明石鯛を使います。
明石産の原魚2.5〜3kgもある真鯛を使っています。鯛はしっとりとした、程よい酢〆です。見事な厚切りです。白板昆布を巻いて送られてきます。
木の芽もたっぷりです。
切り身を美しく並べ、その上に木の芽をたっぷりとのせて、巻き上げます。
穴子寿司も大人気です。
「穴子寿司がいちばん手間をかけています」と淺岡さん。
ぬめりを丁寧にとり、白焼きの前に酒などで炊いて、穴子の臭みをとります、次の写真のようにこんがりと白焼きにしてから、穴子の出汁、たまり醤油、みりん、酒でつくったタレをぬりながら焼き上げます。寿司飯の中には、有明産の海苔が入っています。
瀬戸内の高砂産を
使っています。
瀬戸内の高砂産を使っています。
高砂産の穴子は、しっかりと太っていて、ふわっとやわらかな穴子寿司に仕上がります。
手前が、三代目主人の淺岡照一さんのお母様で女将の淺岡克子さんです。ご飯を炊くのは女将の役割だそうです。右が、料理長の嶋田雅行さん。左が板場の中間涼太さんです。
文・白石さやか
撮影・川田雅宏
寿司・割烹 木屋町 蘭
京都府京都市中京区木屋町通四条上ル鍋屋町212-6
営業時間:17:00〜22:00
定休日:日曜日
季節の食材を活かしたお寿司、一品料理、天ぷら、鍋料理などを楽しめます。
お料理はおまかせ20,000円〜。