伊勢神宮外宮奉納品
三重県伊勢湾産
活 沖どりアサリ
一般入手困難な伊勢湾の
大粒アサリ
約3ヶ月間の伊勢湾アサリ漁で
獲れるのは約300トン
その内、殻高16ミリ以上、殻幅35ミリ前後は1割ほど、つまり30トン
日本のアサリ消費量は約40,000トンだから、1%にも満たない
日本のアサリ漁獲高は4,400トン、
つまり、9割近くは輸入となる
正真正銘の伊勢湾の
大粒アサリは貴重な美味だ!
気候変動と人の営みで
激減した日本のアサリ
アサリの語源は「漁る」「浅砂利」。各地の貝塚を見れば、日本各地の海岸でアサリが大量に獲られ、食されてきたのは間違いない。アサリは潮干狩りで食べられるものだったし、昭和50年代の多い年は160,000トンの水揚げがあったのも事実。今ではその3%以下だ。数年後、国産の上質なアサリは幻の美味になるかもしれない。
海水温の上昇や記録的豪雨の多発による、海の貧酸素水塊の発生は、比較的浅い海が生息地の二枚貝には大きなダメージとなっている。
また、下水処理場の普及、工場排水規制、農業・畜産業の水質汚染対策が、海の低栄養化(植物プランクトンの減少)に繋がったなど、様々な原因がアサリなどの水産資源減少に繋がっている。
特に、水深が浅く、閉鎖性海域の伊勢湾では問題は深刻だ。
持続可能を目指す
伊勢湾のアサリ漁
大規模な埋め立てによる、干潟や藻場や浅海域の減少は伊勢湾の生態系に大きな影響を与えた。漁業(乱獲)が資源を減少させた。ツメタガイなどの食害も深刻。
様々な原因がある中、伊勢湾では稚貝の移動放流、漁場耕耘、ツメタガイ駆除、出漁調整、日あたり漁獲量制限などを行い、アサリ資源の回復に取り組んでいる。
大きな成果を上げた三河湾のアサリ漁復活の実例もあり、資源の復活が期待される。
伊勢湾の大粒アサリ
今回案内するアサリは5月〜7月の最も身が肥えている時期のもの。それも沖獲りの栄養状態の良好な海域に限定している。可食部重量÷全重量×100=肥満度は30%に達し、最も肥えたアサリは35%にもなる。身の成長に殻の成長が追いつかず、殻が薄く割れるものもあるが、それは身入りの良い証。
鈴鹿の競り場から運ばれたアサリは、マルゴ水産の専用設備で選別と養生(漁や競りで弱った貝を元気にする)と砂抜きが施される。地下32mから汲み上げた地下海水がアサリを元気に復活させる。
プランクトン豊富でありながら細菌や泥が少ない海水で、大粒アサリの味は洗練される。今回は仕上げの砂抜き用の地下海水を、アサリと一緒にお届けする特別企画。
アサリの旨味はコハク酸だが、タンパク質・鉄分・亜鉛・カリウム・カルシウム・ビタミン12、タウリン等、身体が欲する成分の宝庫でもある。凄いアサリは滋味豊かでもある。
文・(株)食文化 代表 萩原章史
撮影・八木澤芳彦