福島県の郷土食 お取り寄せグルメ「ふくしま物産展」
福島県の郷土食
福島の食文化を紹介します
福島県は全国で3番目に広い面積を持ち、南北へつながる阿武隈高原と奥羽山脈により「浜通り」「中通り」「会津」の気候風土が異なる3つの地域に分けられる。
浜通りは太平洋に面した温暖な気候で、一年を通して多様な海の幸に恵まれる。中通りは盆地特有の寒暖差が大きい気候が果樹栽培に適しており、美味しいフルーツが育つ全国有数の産地だ。盆地や山間地からなる会津は、河川の沿岸は米作が盛んで、山間部は山菜や沢の魚介、獣肉など地域内でも多様な食文化が形成されてきた。自然に囲まれた環境、歴史により継承されてきた福島県の郷土食、その魅力と背景をご紹介!
福島県の郷土食、特産品
ほっきめし
冷たい親潮と温かい黒潮が交わる相馬・双葉沖では明治時代からホッキ漁が盛んに行われていた。栄養豊富な海で育つホッキ貝は成長が早く、強い甘みと身の柔らかい。漁獲量の多さと食味の良さから相双沖のホッキ貝は地元の味として根付いた。刺身はもちろん、天ぷらなど様々な料理で美味しく食べられるが、郷土食として定着しているのが「ほっきめし」。タレが染み込んだご飯とホッキが相性抜群で、もともとは漁師飯として親しまれていたが、家庭や飲食店、宿泊施設など広く提供されている。
鯉料理(鯉のあらい、鯉の甘露煮、鯉こく)
福島県郡山市で鯉の養殖が行われるようになったのは明治時代。海に面していない郡山には農業用の溜池が多く存在していた。安積疏水が完成したことで猪苗代湖からミネラル豊富で綺麗な水が引かれるようになり、使われなくなった溜池を利用した鯉の養殖が盛んになった。鯉の餌になる「蚕の蛹」が手に入りやすかったこと、当時の開墾者の貴重なたんぱく源として需要が高かったこともあり、全国有数の生産量を誇る産地になった。郡山の鯉は冷たい水で育つため、身が引き締まって食感が良い。鯉の刺身“あらい”や骨まで食べられるように炊き上げた甘露煮、味噌汁のような鯉こくなど、福島には鯉を様々な味で楽しむ郷土料理がある。
三五八漬け
三五八漬けは、野菜・スルメ・数の子などを麹で漬けた郷土食。名前は漬床に塩・米麹・米をそれぞれ3:5:8の割合で使うことに由来する。江戸時代から忙しい農家のおかずとして作られるようになり、野菜を余すことなく使い切れ、健康にも良い発酵食品であることから長く親しまれている。
馬刺し
一説によると、会津戊辰戦争で負傷した兵士に馬肉を食べさせたのが福島県会津地方の馬肉食文化のはじまりと言われている。その後も貴重なたんぱく源として食べ続けられてきた。馬肉の生産量が日本一の熊本県では重種馬を使用した“霜降り”が主流なのに対し、会津の馬肉は軽種馬の“赤身”で醤油に専用の辛味噌を溶いて食べる。唐辛子やこんにゃくで作る辛味噌が赤身の馬肉の旨さを引き立てる。