懐石小室 東京・神楽坂
懐石小室 東京・神楽坂
備長炭で地焼きする
威風堂々たる味わい
天然鰻の蒲焼きと
白焼き
力強い香りと
味わいの蒲焼きです。
小室光博さんは天然鰻を蒸さずに、炭火で地焼きにします。
「天然鰻の程よく締まった身質と脂を美味しく食べるには地焼きが一番です」と小室さんは言います。焼き切った皮目の香ばしさがたまりません。身も厚く、小室さんらしい豪快な味わいです。
白焼きで
鰻本来の味わいを。
白焼きも地焼きです。天然鰻そのものの味を楽しむなら、白焼きもおすすめです。
「最後にお酒を振りかけて焼くことで、しっとりとまろやかな味わいになり、地焼きの香ばしさがいっそう引き立ちます」と小室さんは言います。
今回は
300〜350gの鰻です。
小室さんの使う天然鰻は、主に岡山県、熊本県、島根県、徳島県などでとれたものです。鰻料理専門店では重箱の大きさに合わせて1尾200〜250g(原魚)の鰻を使うそうですが、小室さんは一回り大きいものを選びます。「300〜350gのサイズから脂のりもよくなり美味しいのです」。
皮目をしっかりと
焼きます。
備長炭でじっくりと皮目がパリッとなるまで焼きます。鰻の脂が染み出て、香ばしさを纏った鰻はまさに絶品です。
タレは、
焼いたごぼう入りです。
蒲焼きには小室さん特製のタレをかけながら焼き上げます。タレは、鰻の頭や骨の出汁に、炭火で焼いたごぼうを加えるのが小室さん流です。くどい甘みのない、本格和食店ならではの深い味わいです。
鰻とタレの香りが
たまりません。
「天然鰻のような強い魚には、ごぼうを入れると土から出たような香りが加わり、いい味になります」と小室さんは言います。
蒲焼きは実山椒が
たっぷりです。
小室さんの蒲焼きは、粉山椒ではなく実山椒でいただきます。実山椒は、和歌山県産のぶどう山椒を早採りして、お湯にさっとくぐらせたものです。粉山椒よりも香りが良く、パリパリとした食感も楽しめます。
白焼きは素材の味を
ダイレクトに感じます。
「日本酒のまろみをのせた白焼きは、たっぷりのわさびと、少しの醤油でお召し上がりください」と小室さん。鰻の旨味と余韻が素敵です。
うまいもん筆頭目利き人
町田 成一より
小室さんの鰻の蒲焼きと白焼きは、天然鰻の皮目をギリギリまで焼き切った地焼きです。
蒲焼きのタレは甘辛味が程よく、深い味わいで魅了します。
いわゆる東京の鰻料理専門店の蒲焼きとは別物の、鰻の旨さをとことん楽しんでいただける和食料理です。
文・白石さやか
撮影・大山裕平
懐石小室
東京都新宿区若宮町35-4
TEL 03-3235-3332
12:00〜13:00(ラストオーダー)
18:00〜20:00(ラストオーダー)
日曜・祝日休み 要予約
カウンターのほか、テーブル席もあります。