いづう 京都の鯖姿寿司|通販・お取り寄せ
いづう 京都・祇園新地
京の美しい名物料理
いづうの鯖姿寿司
創業は天明元年です。
「いづう」は、鯖姿寿司が名物の、京都を代表する京寿司専門店です。
創業は、天明元年(1781年)。現在も店を構える祇園新地(現・八坂新地)のこの地で、鯖寿司の専門店として商いを始めました。
「鯖寿司は、若狭から鯖街道を運ばれてきたひと塩ものの鯖でつくられてきました。京都では慶ぶべき佳節に家庭でつくり楽しむ風習があったと聞いています。その鯖寿司を、料理人の技で磨き、洗練させた料理として初めて世に出したのが当店です。お座敷を彩る逸品として、花街とともに歩んでまいりました」と、いづう八代目当主の佐々木勝悟さんは語ります。
八代目当主の
佐々木勝悟さんです。
「鯖姿寿司に代表される京寿司は、“ねかせる”ことによる美味しさを楽しんでいただくお寿司です。鯖は酢で〆ましたら一晩かけて、今も氷の冷蔵庫で“熟れ(なれ)”させます。寿司飯も翌日までねかせて、酢をよくなじませてから使います。そして、鯖姿寿司は、出来立てから翌日まで、時間の経過による風味の変化をお楽しみいただく“早熟れ寿司”なのです」
あでやかな
鯖姿寿司です。
はなやかで美しい“あでやか”な鯖姿寿司です。持つとどっしりと重く、「重さもご馳走です」と佐々木さんは語ります。
生酢につけてやわらかくした真昆布と竹皮に包まれて送られてきます。
“早熟れ寿司”の
美味しさです。
出来立てから翌日まで、時間が経つにつれ、鯖の旨みが詰まった脂が鯖から浮いてきて寿司飯とよりなじみます。昆布だしの味も深くなります。
「時の流れとともに昆布、魚、ご飯がなじみあってまいります。お客様のお手許に届きます製造日の翌日は、昆布、魚、ご飯が三位一体となって味が凝縮した“早熟れ寿司”ならではの深い味わいをお楽しみいただけます」と佐々木さんは語ります。
鯖姿寿司の美味しさに
迫ります。
氷の冷蔵庫で
ねかせます。
酢〆にした鯖は、15℃から18℃の温度で一晩ねかせます。
「鯖を酢で締める時間は2分半から3分です。その鯖を氷の保冷庫で翌日まで休ませます。高い温度で冷やすことで、その間に鯖の脂が浮いてきて、塩と酢がなじみ、味を熟れさせるのです。これが最大の調味料です」と佐々木さんは語ります。
米はいづう特選米です。
ご飯は硬めに炊き上げます。半切り(寿司桶)にあけて酢を打ち、しゃもじを切るように使いながら混ぜ合わせます。使い込まれた半切りに歴史を感じます。
寿司飯も
一晩ねかせます。
平らにならして、翌日まで“ねかせ”ます。砂糖と塩をきかせた寿司酢を、じっくりとご飯になじませます。これも早熟れ寿司としての京寿司の美味しさを生みます。
日本近海産の鯖です。
一晩、冷蔵庫でねかせた鯖は、握る直前に、腹骨と血合を切り取り、形を整えます。鯖は現在、日本近海産の真鯖を使っています。
さらしで握ります。
さらしに鯖と寿司飯をのせ、巻き上げます。
鯖と寿司飯を
一体化させます。
「手の加減だけで、均一に、寿司飯の中の空気を抜くように握ります」と佐々木さんは語ります。
丁寧に美しく。
巻き簾などを使わずに、しっかりと崩れないように、美しく仕上げるのがいづうの伝統です。
北海道産の真昆布です。
真昆布は、平らに伸ばして干し上げたものを使い、生酢につけてやわらかくして巻きます。竹皮に包んで出荷されます。
いづうの鯖姿寿司は、以上ご覧いただきましたように、鯖と寿司飯の“熟れ寿司”になっているため保存性が高く、18℃〜23℃が保存の最適な温度帯になります。冷やし過ぎは味を損ねますので、ご注意願います。
うまいもん筆頭目利き人
町田 成一より
いづうの鯖姿寿司を、京都土産としてよく買って帰ります。
その夜にいただいたら、残りを冷蔵庫に入れ、翌日はちょっと冷たい鯖寿司を食べて、やっぱり昨日のうちに食べてしまえば良かった、と思ったことは一再ならずにありました。
ごめんなさい。
いづう八代目当主の佐々木勝悟さんのお話を伺ってからは、冷蔵庫に入れることをやめました。そうしましたら、翌日も美味しいのです。熟れた旨みが断然増しています。
これが“早熟れ寿司”の魅力だったのです。実にもったいないことをしてきました。
佐々木さんは“早熟れ寿司”の味の例として、「お酒寄りの味に変わっていきます」と言われました。その通りだと思います。鯖もご飯もちょっとかたく強い味わいになり、純米や本醸造の冷や酒を飲みたくなります。
創業240年余。歴史ある「いづう」の京寿司は祇園のお座敷を彩り、さらに折詰は御進物の逸品として親しまれてきています。その伝統の味を送っていただきます。折詰のご紹介もあります。あわせてお楽しみください。
文・町田成一
撮影・東谷幸一
いづう
京都市東山区八坂新地清本町367
TEL 075-561-0751
営業時間/11:00〜22:00 日曜と祝日は〜21:00
土日・祝日は、11:30〜22:00
休み/火曜日(祝日、祭事の際は営業)
店内では、つくり立てを楽しむことができます。六代目当主が「御進物の寿司を待つ間に、寿司を簡単につまめる処」として調えたものです。
春の「京ちらし寿司」、夏の「鱧姿寿司」、冬の「蒸し寿司」などの季節の味のほかに、小鯛の雀寿司、甘鯛姿寿司、鯛寿司、太巻き寿司、小巻き寿司、弥次喜多寿司などがあります。