神田 雲林「熊の掌」料理のお取り寄せ
神田 雲林
熊の掌
上海料理の達人、成毛幸雄シェフの
「熊の掌の濃厚煮込み
蜂蜜と8年熟成黒酢仕立て」です。
中国の高級宴席料理です
熊の掌の煮込みは、「神田 雲林」の食卓に、プルンプルンと揺れながら運ばれて来ます。ゼラチン質の塊なのです。ねっとりと舌にまとわりつきます。比類なき、粘りと弾力です。
雲林の成毛幸雄シェフは、中国料理の技術研究の第一人者で、ハンターでもあります。そのスペシャリテの一つが、「熊の掌の濃厚煮込み 蜂蜜と8年熟成黒酢仕立て」です。
コラーゲンの塊です
指の間にナイフを入れれば、ねっとりとはしていますが、簡単に切り分けられます。
熊の掌そのものは、ほんのりとした旨みです。ソースは黒酢などを使った甘く濃厚な味わいです。このメリハリが素晴らしい料理です。徹底した下ごしらえにより、臭みは皆無です。
爪も付いています
写真は前足です。肉球のゼラチンのほかに肉もあります。後足は圧倒的なゼラチンです。二つをセットで送っていただきますので、その違いもお楽しみください。
骨付きです。宴席料理の場合は、骨と爪をとって切り分けて供されますが、それでは面白くないので、丸ごと送っていただきます。
熊の掌を体験してみる、という意味では、前足と後足のそれぞれ骨1本分を召し上がればご満足いただけると思います。
つくり方を
見させていただきました
ツキノワグマの熊の掌です
今回の熊の掌は、岩手県や長野県で獲られたツキノワグマ(月輪熊)です。
仕込みに5日かかります
下ごしらえはペンチで毛をむしることから始まります。一つで1時間強もかかるそうです。さらに、下ゆでを繰り返して臭みを取りながら、毛をむしります。
飴をかけて毛を抜きます
それでも取りきれない毛があるため、一つずつ飴がけをして毛を抜きます。熊の掌に熱い飴をかけて氷水にとり、それをはがすことで毛を抜くのです。これも2回から3回は必要だそうです。そして、最後にまだ残っている毛を焼き切ります。
煮るのは4時間です
スープには、アヒル、鶏、豚、金華ハムなどを使い、熊の掌に旨みを加えていきます。熊の掌そのものの味つけは、ほんのりとしたものです。
成毛幸雄シェフです
中国料理の技術研究の第一人者です。2006年5月に、上海料理を主に、上質な食材を駆使した「神田 雲林」を開店。上海蟹、こじき鶏、フカヒレ煮込み、乾アワビの煮込み、角煮宝塔仕立て、獅子頭など名物料理が数々あります。夜は、うまいもん好きの男性客でいつも大賑わいです。
うまいもん目利き筆頭人
町田 成一より
成毛幸雄さんの「神田 雲林」には、熊の掌料理がほかにもあります。
熊の掌とアワビの上海風濃厚醤油煮込み、熊の掌と中国ハムの北京式煮込み、熊の掌と雲南キノコの煮込みなどです。
今回の料理が好評でしたら、改めてお願いしたいと思っています。
私は、熊の掌料理は、中国で2〜3日もかけて珍奇な料理を食べ続ける満漢全席に出てくる一品、という認識でした。ところが、成毛さんはこう言います。
「熊の掌の煮込み料理は、中国の高級宴席料理の一つです。たとえば、フカヒレ宴席、燕の巣宴席などと呼ぶのと同じように熊の掌宴席もあり、熊の掌料理は中国では広く楽しまれています」
中国料理の奥深さには、いつも驚かされます。
今回の、毛を丁寧に取り除く、気が遠くなるような下ごしらえ。
アヒル、鶏、豚、金華ハムまで使って約4時間も煮込むこと。
熊の爪が取れるようになるまで煮るそうです。
今回は、この爪も熊の掌に付けてお送りします。
熊の爪は、魔除けとして知られていて、ペンダントで見かけます。さらに、お金や幸福をかき集める酉の市の熊手に通じることから、財布に入れておくとお金が貯まるとも言われている縁起物です。
最後に少しだけ「神田 雲林」の紹介をさせていただきます。
上湯より贅沢に素材を使った「頂湯」を楽しませてくれる希少な店でもあります。大量の金華ハムと丸鶏(老鶏)と豚の赤身肉だけを使って5時間かけて蒸してとる最高級のスープです。
妥協のない美味しさを、これからも送っていただきます。
企画と取材・大村花恵
文・町田成一
撮影・八木澤芳彦
神田 雲林(ユンリン)
東京都千代田区神田須田町1-17
第2F&Fロイヤルビル2階
TEL 03-3252-3226
営業時間/11:30〜14:30 17:30〜22:30