鴨らしい濃厚な旨みと
香りに満ちています!
銀の鴨
産地は、自然環境に恵まれた青森県新郷村。
生産者は、鴨に取り組んで35年の畑中司さん。
品種は、フランスを代表するバルバリー種です。
鴨の風味に富んでいます。
「銀の鴨」は、艶やかな素晴らしい肉質をもつ鴨です。鴨肉のうま味と鴨らしい香りが非常に濃厚です。
その新郷村農場は、山深い青森県新郷村という極めて優良な環境で、採卵から食鳥処理まで一貫した生産体制を整えています。そのため、レストランやホテルの料理人などから厚い信頼を得ています。平成5年、当時の皇太子様と雅子様のご結婚の儀で「付け焼き鴨」として用いられました。
フランス人が好む鴨を目指しています。
「私の目標は、フランス人シェフが欲しがる、山の土の香りがするような美味しい鴨をつくることです」と、「農事組合法人 銀の鴨」代表の畑中司さんは語ります。畑中さんは、昭和60年(1985年)7月に青森県おいらせ町で鴨の生産を始めます。平成29年(2018年)10月には、さらに優良な飼育環境を求めて、「緑豊かな山あい」と「上流の清らかな水」のある青森県新郷村に移転しました。「新郷(しんごう)村は、村に信号機が一つしかない」そうです。
品種はバルバリー種です。
飼育している鴨は、バルバリー種です。大型で脂肪の少ない肉質が特徴です。南米原産のマスコビ種をフランスで改良した、現在フランスでもっとも生産量の多い、人気のある品種です。
この新郷村農場では、年間2万羽を限定生産。採卵、孵化、飼育、食鳥処理まで一貫して行っています。
清潔な鴨舎です。
鴨舎は広々として、清潔です。
「鴨ができるだけストレスを感じることなく快適に過ごせるように十分な空間を確保して、太陽光、自然の風を可能な限り取り入れています」と畑中さん。
鴨は水鳥のため、きれいな水が豊富に飲めること。穀物を主体にした餌。抗生物質を与える必要のない良質な環境などが、美味しい鴨の生産につながっています。
甘さを感じるほどの旨みと香りです。
「銀の鴨」は、レストラン・ホテル等へ特化した生産を行なっています。併設する食鳥処理工場で、個体に合わせた熟成など、鴨肉の風味をより引き出す処理を経て出荷されます。
左がムネ肉です。ササミも付いています。右がモモ肉です。脂肪の厚い皮は炙るといい出汁になります。
以下、美味しい食べ方をご紹介します。調理は、株式会社食文化代表の萩原章史です。
ムネ肉は、皮をカリカリになるまで焼きます。
皮がカリカリになるまで、こんがりと焼き上げてスライスします。
身はねっとりとして、ムネ肉なのに、まるでレバーを食べているような濃密な味わいです。
皮の香ばしさがたまりません!
皮をよく焼いたむね肉は、厚切りにして、さらに焼くのも美味しいものです。
モモ肉も一緒に焼いて、食感や味の違いを楽しみながら、フルボディの赤ワインを飲めば最高です。
ムネ肉は「鴨鍋」もおすすめです。
ムネ肉をスライスして、せり、ねぎ、ごぼうなどと、昆布出汁に醤油と酒と味醂で味つけした出汁で煮ていただきます。
モモ肉に付いている脂の多い皮を焼いて刻み、鍋に入れると、鴨の旨みが一段と増します。この脂を使って、先に長ねぎを焼いてから鍋を楽しむのも美味しいものです。
モモ肉も、焼くと旨みが弾けます。
モモ肉も、その旨さをシンプルに味わうなら、焼くのがおすすめです。皮をよく焼いたら切り分けます。もちろん、コンフィにしたり、煮込んでも美味しい素材です。
皮がこんがりと焼けたら、大きめにカットして、火を入れます。塩や胡椒でまずは味わってください。噛みごたえが抜群です。
さらに、長ねぎと一緒に焼いたり、オリーブオイルを風味づけにかけるなどすると、いくらでも赤ワインが飲めます。
中央が、「農事組合法人 銀の鴨」代表理事の畑中司さんです。「私どもの飼育と食鳥処理の環境は、鴨を生で食べても大丈夫なほどの内容です」。銀の鴨の新郷村農場は、奥入瀬渓流の東側、付近に畑や民家がなく、空気がきれいで、地下水の豊かな土地にあります。
左が、鴨料理を披露した株式会社食文化代表の萩原章史です。右が、うまいもん筆頭目利き人の町田成一です。
文・町田成一
撮影・八木澤芳彦