郡上八幡からさらに北へ20km。
清流・長良川の
最上流の鮎の集荷場「だるまや」から
天然の郡上鮎と山菜を直送します
鮎、岩魚、山菜、きのこ、猪などが集まります。
「だるまや」は、かつて山林と材木で栄えたという郡上白鳥(ぐじょうしろとり)にあります。霊峰白山からの清流として名高い長良川の最北に位置する鮎の集荷場です。昭和3年に始めたという歴史ある鮎の集荷場には、今も、天然の郡上鮎だけでなく、長良川からは岩魚、あじめドジョウが、近隣の山からは山菜、きのこ、そして猪、熊などが集まります。
岐阜県の郡上(ぐじょう)は、福井県との県境にある自然が豊かな土地です。白山連邦に囲まれ、その雪解け水が流れ込む長良川が豊かな自然を育みます。
長良川の上流で獲れる郡上鮎。
天然の郡上鮎は、全国の料亭や飲食店で人気があり、高値で取引されるブランド鮎の一つです。急峻な流れと良好な水質に育まれた郡上鮎は姿かたちの良さはもちろんのこと、身が締まり、香り、味ともに鮎の中の一級品です。
鮎のシーズンは6月〜9月です。1年魚のため、6月・7月は骨が柔らかい若鮎、8月はしっかりとした身質で脂を蓄えた鮎、9月は卵が入った子持ち鮎(または落ち鮎)と移ろいゆく旬が楽しめます。
長良川最上流の鮎の集荷場「だるまや」
だるまやは昭和3年から鮎の集・出荷を始めて約100年。最盛期には17か所あったという集荷場も今では2軒のみとなりました。木材の町として栄えた白鳥町(現在は市町村合併をして郡上市)は冬には約2mも雪が降り、収入源が限られた地だったため、夏に川でたくさん獲れる鮎を収入にかえようとしたのが始まりでした。
写真左は「だるまや」2代目店主の河合正則さんです。今でも40名を超える漁師さんが友釣りで釣った鮎を持って来るそうです。1日に約30kg。井戸水の生簀に最低でも12時間ほど放ち、「身をつくる」(河合さん)そうです。鮎の集荷は、鮎漁解禁の6月3日からは休みなし、8月24日から週に一回休むだけで、10月いっぱい続きます。
鮎は内臓も美味です
だるまやでは鮎を仕入れると1〜2日は生け簀で泳がせてから出荷します。地下水を汲み上げ、きれいな冷たい水で泳がすことで、身が締まり、内臓も土の臭みなどなくおいしく食べることができます。
たっぷり届く鮎の楽しみ方
【1】定番の塩焼き
一番は炭火でじっくりと焼くことです。難しければグリルでも美味しく焼けます。たっぷりと塩をまとわせ、尾ひれや背びれ、胸ひれは広げるようにして焼くと美しく仕上がります。途中、焦げてしまいそうな際は、ひれ部分だけアルミホイルをかぶせるときれいに焼きあがります。
塩焼き鮎の食べ方
1. 鮎の尾ひれをおります
2. 胸ひれ、背びれを取り除き、鮎全体を箸で軽く押さえて身をほぐします
3. 頭の後ろ(エラ)の皮を切り離します。※骨まで離すと引き抜けなくなるので注意!
4. 頭を手でゆっくりと引き抜きます。
【2】お刺身
産地から冷蔵で直送するため、鮮度抜群です。お刺身はもちろん、背越(せごし)や洗いもおすすめです。
【3】鮎ごはん
昆布でとった一番だしに醤油や酒で味付けをし、香ばしく焼いた鮎を入れて炊いてください。鮎の骨からもしっかりと出汁が出ます。
【4】一夜干し
たっぷり届きますので、すぐに食べきれない際は、開いて1日程度干しておく一夜干しもおすすめです。水分がとんで、鮎の旨みがぎゅっと凝縮します。
希少な天然の「あじめドジョウ」です。
長良川の清らかな水域に生息するどじょうで、1年おきに漁が解禁されます。しっかりと土吐きをしてから凍結しているので全く臭みがありません。骨が柔らかくふわっとした身質でほんのり優しい川魚の風味が楽しめます。唐揚げや煮付けがおすすめです。昭和天皇が絶賛したほど、美味です。秋が旬です。
岩魚もあります。
天然の岩魚もあります。川魚の代表格である鮎と決定的に異なるのは餌です。鮎は岩に付着した藻を食べるのに対して、岩魚は小魚、動物性プランクトンを食べる肉食です。身質はしっかりとしており、味わいは雑味がなく上品です。しかし、ちょっと癖のある香りがありますので、塩焼きにするのがおすすめです。骨がしっかりしているので、身を食べた後は骨酒もお楽しみください。
※岩魚は内臓の足が速いため、エラと内臓を処理して冷凍したものをお届けします。
春には天然の山菜もお届けします。
雪解けの3月上旬ごろから山菜が芽を出し4月に本番を迎えます。野生の山菜ならではの香りの良さはもちろん、山菜特有のほろ苦さの中にきれいな甘みさえも感じられます。天然ものなので、基本的にはその日に採れたものの中から厳選して出荷します。時期にもよりますが、地元では「こんてつ」と呼ばれるコシアブラ、タラの芽、わらび、こごみ、ふきのとうなどがあります。産地直送なので鮮度抜群です。天ぷらやお浸し、醤油漬けなど様々なメニューでお楽しみください。
初夏には姫竹もあります。
姫竹は、山地に自生する笹類の筍です。孟宗竹のタケノコと違い、繊維質がとても柔らかいことが特徴です。郡上白鳥では4月下旬から5月上旬に収穫できます。鮮度が重要ですので、届きましたらすぐに調理をお願いします。
皮付きをそのまま焼いて、熱々の状態で皮をむいて食べるのがおすすめです。ホクホクとした食感とほのかな甘さが楽しめます。
秋の天然まいたけ、冬の熊肉、猪肉も企画中です。郡上白鳥の旬を春夏秋冬でお楽しみください。
文・大村花恵(食文化)