日本最高の洋食器を作る「大倉陶園」
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「食文化 萩原章史」共同企画
大倉陶園作 干支の酒杯 2020
子年 テーマはねずみ
可愛らしいねずみ 色は金
私は、「可愛らしいねずみ 色は金でいきたい」旨を、大倉陶園の担当者に伝えました。
数週間後、「俵にのったねずみ(大黒ねずみ)」「稲穂を持ったねずみ」「大根にのったねずみ」
三つのコンセプトで何案か送られてきました。
大黒ねずみと言えば大国主
古事記では、素戔嗚が射た鳴鏑を野原に拾いに行けと命じられた大国主が素戔嗚の放った火で野原で生命の危機に見舞われた時に、ねずみが野原に開いた穴に導き野火がおさまるまで隠れることができた話に由来しています。
神仏習合で大国主は大黒様と一体化します。大黒ねずみは中国では神格化され縁起の良い生き物です。
ねずみが天変地異を予知して、集団で逃げることから、中国人は家ねずみは未来を予知する能力があると考えたからです。
長い説明は別にして、ねずみと米は縁起物の構図なので、デザイナーが提案してきたわけです。
Rice is the best
ただ、日本人としては、ねずみが貯蔵している食べ物を食べる、害獣のイメージがあるのは事実です。
そこで、私は日本人にとって特別な食物である米を表現する、言葉を加えることにしました。
それが Rice is the best です。
さらに、ねずみの頭部分だけ少し大きくしてもらい、位置も手元でしっくり来るように下げてもらいこのデザインに落ち着きました。
縁起物のねずみと稲穂
日本人にとって米は神様の食べ物と言っても過言ではないです。
神道では神様にお召し上がり頂くご馳走(神饌)のトップクラスに米と餅と酒が定義されています。
酒を飲む酒杯に縁起物のねずみと稲穂。
子年にふさわしい日本人の食文化を表現するデザインになりました!
子の酒杯はシリーズ5作目!
■揃える楽しみ 大倉陶園作 干支の酒杯「申」「酉」「戌」「亥」はこちら
(文・食文化 代表 萩原章史 撮影・八木澤芳彦)