見た目が美しく、かっこ良いだけでなく、酒呑みに愛用されることを目的に制作された実用の酒杯
毎年、干支にちなんだ新作を作る12年プロジェクトが始動!
疫病を制御する最強の神
「牛頭天王」
インドから?中国から?渡ってきた牛頭天王は日本各地の八百万の神や仏と習合し、疫病に苦しんでいた庶民から、絶大な信仰を集めました。
疫病を流行らすことができる牛頭天王を慰撫し、崇敬することで疫病を防ぐ神、疫病を除く神として、祀り奉っていたのです。
ジャングル奥地の開発、温暖化による永久凍土の融解などにより、未知のウイルスが人類を脅かし、パンデミックに恐れる時代
今こそ、最強の疫病制御の神 牛頭天王の復活を渇望する!
令和3年は丑年
令和3年モデルは牛頭天王(ごずてんのう)です。
最強の疫病制御の神を描き、未知のウイルスが人類を脅かし、パンデミックに恐れる時代に負けてたまるか!と、メッセージを込めました。絵柄だけででなく、耐久性・口当たり・持つ手との馴染み・安定感・容量など、全てにこだわり抜いています。
牛頭天王については、こちらの特集記事をご覧ください。
> 牛頭天王とは何者か ‐ 鈴木耕太郎氏の連載コラム
令和2年は子年
福をもたらす大黒天の使いが子(ねずみ)。日本人にとって特別な食物である米を表現する「Rice is the best」 という言葉を加えることにしました。
日本人にとって米は神様の食べ物と言っても過言ではないです。神道では神様にお召し上がり頂くご馳走(神饌)のトップクラスに米と餅と酒が定義されています。
酒を飲む酒杯に縁起物のねずみと稲穂。
子年にふさわしい日本人の食文化を表現するデザインになりました!
平成31年は亥年
亥(猪)と言えば『ぼたん鍋』がうまい!
と考え、ぼたん鍋の図で試行錯誤したり、直球で猪だけで表現したり、何度も絵柄を書いた末に決めたのが、この酒杯の絵です。
牡丹の花と猪の配置ですが、よく見ると牡丹の花が鍋的に書いてあります。猪は勢いがありつつ、怖くならないように大きさなども調整した絵です。
猪肉は万病に効くと言われる滋養食
この酒杯で酒を飲み、ぼたん鍋をたらふく食べ、元気を身体にたっぷり溜め込み、2020年以降の激動の時代を勝ち抜きたいものです!
平成30年は戌年
イメージは柴犬の仔犬が『何だろう?この匂い・・』
と蕪のような野菜を嗅いでいる図です。
この蕪こそが、日本産のマカ
アンデスの秘宝と言われるマカを日本国内で、野菜として普及させる取組みが始まったことにちなんでいます。
柴犬の部分は何度も試行錯誤して、ギリギリのサイズで表現しています。
そこに究極のパワーフードのマカをコンビにして、可愛いけど、とても強いメッセージにしました。
日本産マカは毎年3月末から4月初めに収穫します。
猛烈に辛くて、うまくて、甘い、凄いアブラナ科の野菜です。
平成29年は酉年
酉という文字の意味は『酒や果実が熟した状態』。
意味としても、酒杯の絵柄として酉の親和性は高いということです。
酉年に割り当てられた動物は鶏(にわとり)です。
そこで、最もうまいとされる鶏である軍鶏を絵柄に選び、デザインと焼成の試行錯誤を続け、完成したのが、この酒杯。
軍鶏の精悍なフォルムを酒杯に表現するのは難しく、ブルーのにじみ具合と軍鶏の姿勢調整、さらに、鶏冠に赤を入れることで、ぐっと強壮な雄の軍鶏イメージが表現されています。
平成28年は申年
申の酒杯。でも、猿は食べられないし、猿を見ながら酒を飲むのもしっくり来ない…そこで杯を飾る素材を何にするか悩んだ結果が蟹。そう猿蟹合戦が発想の元です。
それも飛びっきり美味しい蟹でなければ駄目だ…そこで最終的には、メスの渡り蟹に決まり、デザインと制作の試作を繰り返し、生まれたのが、この酒杯です。
> 申年の酒杯「蟹」の意匠について
現在、残っている酒杯の数も少なくなってきました。数量限定生産なので、数年以内には、第1回制作分は売り切れるはずです。
大倉陶園の創業者の大倉和親は、実用食器の主眼を四つあげています。
一、美観であること(装飾物ではない)
二、清浄なこと(汚れっぽくてはいけない)
三、使い途にあっていること(日常生活に役立てば、必ず喜ばれる)
四、堅固なこと(強くなければいけない)
この基本に照らし合わせると、私の主眼はこうなります。
一、美しくなければいけない。それも実際に使える酒杯として。
二、地はもちろん白磁、様々な飲み物を楽しめる清廉な白が良い。
三、酔っぱらいに付き合っても飽きられない、そして酔わせてくれる酒杯。
四、倒れ難い。仮に倒れたり、テーブル上で落としたくらいでは割れにくい酒杯。
自他ともに認める酒飲みの私としては、日常的に使える酒杯が欲しいのであって、儀礼的な用途の酒杯は要らないのです。
先ず、酔っぱらいは手元が危うくなります。だから、酒杯の安定感は重要です。
酒杯をテーブルに置いている時の安定感
酒杯を持っている指や手のひらとの相性というか、しっくり感
この2つの安定感と美しさを両立し、さらに、酒呑みにとって器に入る酒量にこだわります。酒杯であるから、すぐに飲み干し、何度も注がないとならない小容量の酒杯は、酒呑みの性で使いたくないです。
結局、今回の酒杯は70ccです。こぼれない感じで注いで三杯飲むと約一合です。七〜八杯で『こなから※四分の一升』です。
毎日の晩酌であれば、十杯はちょっと飲み過ぎ!そんな酒杯です。
設計して石膏で型を作り、手に持った感覚などを微調整していく地道な作業
本当の酒呑みのための理想の酒杯を求めて、試行錯誤を繰り返す
大倉陶園デザイナー
濱島俊司氏のコメント
干支の器のモチーフといえば、ごく当たり前にその年の動物を描くのが普通である。ところが今回のモチーフは『牛頭天王』を描いて欲しいという依頼。
牛とは離れてはいないが、疫病を防ぐ神を器に現す?とは思ったが、これは今だからこそやるべきことだと納得して取りかかった。
課題は金一色で表現するということ。
形の中に天王らしい表情をどのようにして醸し出せるかである。
そこは線を描く代わりに金を抜いて下の白磁を繊細に見せることが出来た。
大倉の一番の魅力はその白く滑らかな白磁である。
白磁と金のみ。このシンプルな組み合わせは焼成金が純金に近い大倉の品質の高さを発揮するものでもある。
そこに茅の輪を加え、輝きもご利益も更に増して他に類を見ない究極の干支の器の完成となった。
今回の干支のぐい飲みは力強く人々を疫病から守る神の姿。
そこに込められたものは、誰もが思う平和で安心した世であること大倉陶園の技術と品質で心を込めて作り上げこの器と新たな年を迎えるひとときを一層楽しんでいただければ幸いです。
2020/8/06
すべてが職人の
手作りです
大倉陶園は1919年、大倉孫兵衛、和親親子により創業されました。
「良きが上にも良き物をつくりて」という創業の理念は、現在に至るまで受け継がれ、私共の社是となっております。
今回ご紹介いたします酒杯も創業者の世界最高級の磁器を追及するという理念のもと制作させて頂きました。この酒杯を制作するにあたり、食文化様における理念や姿勢は私共と共通すると認識させていただいており、この作品を皆様にご紹介出来る機会を得ました事を心より感謝申し上げます。
株式会社 大倉陶園
流し込み成形
排泥後、すぐに回転させてムラを防ぐ。その後、一定時間乾燥させる。
カツラ(余分な部分)を切り落とす
縁を整え、厚さを確認
流乾燥後の成形の仕上げ。バリを取り、縁を薄く綺麗に仕上げる。
全体を滑らかに整える。
再度、縁の厚さを確認
底を滑らかに整える。
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
二〇二一 丑
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
二〇二〇 子
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
二〇一九 亥
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
二〇一八 戌
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
二〇一七 酉
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
申・酉セット
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
干支の酒杯
二〇一六 申
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm
萩原章史プロデュース
大倉陶園作
白磁酒杯
高台金仕様
初窯出し 数量限定
満水容量: 70cc
寸法:高さ80mm
口径(上)55mm